読んだ本の数:14
読んだページ数:4257
ナイス数:1041
1月からこっち、あまりにも読書が捗らず、自分は本が読めない体になってしまったのでは?と恐怖したが、隠蔽捜査シリーズのおかげで何とか持ち直した。1日1冊読める快感を久しぶりに味わった。そうか、私の本を読むスピードが遅くなったわけではなく、読める本を読んでいなかっただけのようだ。翻訳小説は、けっこう内容がぎっしりしているものが多く、1冊読むのに3から4日かかる本が多いが、今野敏は、さくっと、一気に一冊読める。そして面白かった。
棲月―隠蔽捜査7― (新潮文庫)の感想
なんだかモヤる。これまでで一番面白くなかったような気がする。ほぼ直感だのみの見込み捜査じゃないのか? 犯人が判明するまでの過程にもひねりもないし、鉄道本社はともかく銀行への職員派遣はやはり越権のように思えるし。生安部長の鹿児島弁も、とってつけたようだし。だがまあ今回も、野間崎や部下の課長たちとのやりとりは面白かった。「それもわかっているつもりです。ええ、私個人はわかっているのです。竜崎署長に何を申し上げても無駄だと・・・」「所長にプレッシャーですか。怖いもの知らずですね」
読了日:02月29日 著者:今野 敏
署長シンドロームの感想
Audibleで読了。朗読の国分和人さんの声はとても好み。あの大森署の問題児・戸高が、二枚目にしか聞こえないww さて竜崎が去った大森署に着任したバリキャリ女性署長は絶世の美貌の持ち主で、目が合った男どもがことごとくフラフラになる。『署長シンドローム』とは、藍本署長を直視してしまった男が必ずや罹患する、表情筋の脱力と緊張感の喪失と、思考力の低下と多幸感をもたらす病なのだ。免疫を獲得しつつある副署長さえ、うっかり直視するとそのまぶしさにふらっとなる。これ、竜崎と対面させたい〜〜!!
読了日:02月26日 著者:今野 敏
去就: 隠蔽捜査6 (新潮文庫)の感想
ストーカー殺人。だけど殺されたのはストーカーされてた女性ではなく男性。そして誘拐?事件の大筋と現場の印象のちぐはぐさから真相に辿り着く竜崎。だがしかし、第二方面本部長の弓削がメンドクサイ。そして遂に、野間崎が覚醒?「やってみましょう。お任せください」あの野間崎が初めて光った瞬間である。弓削については「根回しには役立つだろう」って、そのくらいしか使い道ないって言ってるよね。しかもその根回し失敗してるし。事実しか口にしない竜崎だけに、辛辣(笑)。今回も、現場からの揺るぎない信頼に力をえた竜崎です。面白かった!
読了日:02月25日 著者:今野 敏
北北西に曇と往け 7 (青騎士コミックス)の感想
本棚の関係で紙本は一度手放してしまったのですが、ちょっと続きが気になったのでKindleで読んでます。三知嵩の過去をよく知らないことに気付いた慧が、分かれて生活していたころの三知嵩の周囲の人間関係を調査する。見えてきたのは明らかに普通とは異質の、弟のありよう。三知嵩はいつからあんな能力を開花させたのか。
読了日:02月24日 著者:入江 亜季
宰領―隠蔽捜査5― (新潮文庫)の感想
「その願いを叶えてご覧にいれましょう」神奈川県警SISの係長が竜崎に言う。現場に任せ、その責任は負う。それが上に立つ者の為すべきこと。決して竜崎が狙ってるわけではないが現場を味方につける真骨頂。大森署管内でおきた現職衆議院議員に絡む殺人および誘拐は、犯人が横須賀に潜伏したために、神奈川県警と警視庁の合同捜査となる。しかし、警視庁と神奈川県警は言わずと知れた犬猿の仲。横須賀の前線本部の指揮を任された竜崎もさすがに手を焼くが。
読了日:02月24日 著者:今野 敏
選択 隠蔽捜査外伝の感想
短編。竜崎の娘の美紀ちゃんのお話。年相応の一生懸命な女性の瑞々しさが良いです。竜崎が電話を一本掛けたのかな?多分そうだろう。そういうことを嫌いそうで、ちゃんとやるのが竜崎の良いところ。
読了日:02月24日 著者:今野 敏
空席 隠蔽捜査シリーズ (Kindle Single)の感想
竜崎が神奈川県警に異動した日、次の署長の着任に遅れが生じて、大森署は署長不在の空白の一日が生じてしまった。そんな時にひったくりの緊急配備がかかったところで管内でタクシー強盗が発生。2件の緊配はさすがに対応不能だが、そこに野間崎が意趣返しのつもりかごり押しに乗り込んでくる。対応に窮した課長と副署長は・・・。竜崎が去った後の大森署の小話です。だがしかし。今時「あら、よろしくね。〜よ」って、クラブのママじゃあるまいしそんな自己紹介する女性管理職がいるのか?もはや、ざあます言葉くらい死語だろ!!
読了日:02月24日 著者:今野 敏
自覚―隠蔽捜査5.5― (新潮文庫)の感想
失敗するとまず叱責されることを連想し、できるだけ穏便に上司に報告したくなる。そのために情報を整理してから良い要素を揃えて上司に報告したいし、材料を集めるまでは報告したくない。そんな葛藤が手に取るよう。だが悪い情報ほど早く上げろというのが危機管理の基本。そのこころは早く対策を取るためであって、責任追及のためではない。だけど、大抵の上司は叱責するんだよな(T-T) 下の者が上を信頼できていないと悪い情報は上にはなかなか上がっていかない。 そんなお話など、部下の目からみた竜崎節が光る短編集。
読了日:02月22日 著者:今野 敏
疑心―隠蔽捜査3― (新潮文庫)の感想
あなたちょっと書店にいって『隠蔽捜査』って本を読んでいらっしゃい。恋愛は犬猫でもできるって主人公がいってるわよ。と思わず言いたくなるような突然のフォール・イン・ラブ(笑)だ。読んでるこっちがびっくりだよ。あまりにも竜崎がアワアワしているので、こっちまで赤面しそう。わたしこういう恋愛モノは苦手だわ〜〜〜〜〜と思って、つい4巻を先に読了してしまった。だがしかし、変人竜崎は立ち直りも早かった。今回は米国大統領の来日にともなう警備案件。誰の陰謀か竜崎が警備の方面本部長に抜擢。そして羽田空港でテロの気配が?
読了日:02月20日 著者:今野 敏
転迷―隠蔽捜査4― (新潮文庫)の感想
「胸騒ぎがする」平穏な大森署で副署長が発する静かな言葉が嵐の到来を予告。その夜、管内で続いていた放火が住宅火災になる。隣の大井署では殺人事件で捜査本部が立ち上がり、大森署管内のひき逃げは計画殺人の様相に。娘の彼氏がカザフスタンで飛行機事故という報に外務省の知人の伝手を使えば相手は国際情報官室だし、捜査の邪魔をされたと麻取が所長室に怒鳴り込み(笑) 。これをまとめていなせるのは流石に竜崎しかいない。伝家の宝刀・正論突破で各方面の毒気を抜きつつ、錯綜する状況を整理し、最後は二つの捜査本部を仕切る。
読了日:02月20日 著者:今野 敏
隠蔽捜査 (新潮文庫)の感想
あなたは変わってる。変人。唐変木。散々な言われようだが、通常人は本音とタテマエの本音を大切にするところ、タテマエ至上主義?の竜崎に奉られた評価。東大受験、結婚、男女不平等(?)。しかし読み始めからの竜崎の印象がどんどん変化していく。ってかこの描き方は著者のあざとさを感じるな。警察官による連続殺人を公表するか隠すかの組織内抗争。組織の利益を最大化するためには姑息な隠蔽に走るべきではない。それが結局は身を保つ事になるし、現場で必死に働く捜査員のためにもなる。犯罪捜査ではなく、組織論。面白い。
読了日:02月16日 著者:今野 敏
果断―隠蔽捜査2― (新潮文庫)の感想
なぜか2巻目から読む。色々と欠点もある男だが、竜崎のその公務員としての矜持と信念と行動力に惹かれた。自分の常識が世の中とズレている。おかしな方ではなく、原理原則や合理性の方に強くズレている。だから組織慣行とか内部事情みたいな「常識」の方は踏み外す。その踏み外し方が爽快で心地よい。息子に東大受験を強要したり、家の中では縦のものを横にもしないような亭主関白ぶりは、いくらなんでもこの21世紀に?とは思うが、まあ、妻がそのような男に育てたと言えなくもない。権限の委譲についての話でもある。いかに部下を動かすか。
読了日:02月11日 著者:今野 敏
モーメント 永遠の一瞬 20 (マーガレットコミックス)の感想
ラスト近くまで完結巻を読んでいると思っていなくて、終わってしまうことに気付いてびっくりした。なんと10年読み続けてきた。ソチ五輪もずいぶん前になってしまった。長い時間をかけて雪がソチまでの道のりで大人の女性になったように、現実ではあの時はまだ10代で可愛買った羽生君も、今や立派な成人した男性になった。スポーツ選手の人生や困難やDVにも焦点を当てた。少女漫画で描かれる女性の精神性も例えるなら『愛のアランフェス』から『白のファルーカ』を経て、『モーメント』まで成長した。女性が自立を獲得する道程を見ているよう。
読了日:02月10日 著者:槇村 さとる
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