書 名 「探花―隠蔽捜査9—」
著 者 今野 敏
出 版 新潮社 2022年1月
単行本 336ページ
初 読 2024年3月6日
ISBN-10 4103002611
ISBN-13 978-4103002611
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/119391659
出 版 新潮社 2022年1月
単行本 336ページ
初 読 2024年3月6日
ISBN-10 4103002611
ISBN-13 978-4103002611
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/119391659
2024年8月 文庫化されましたので、表紙をアップしておきます。文庫を入手しようと思っているので、文庫されていない巻はKindle版で読了していたので。
「それにしちゃ、詳しいな」「神奈川県警ですからね」
海に面しているのは、東京も同じだ。だが、たしかに・・・・
海に面しているのは、東京も同じだ。だが、たしかに・・・・
「神奈川県警の人間は、皆そんなに船に詳しいのか?」
竜崎はまだハマっ子の心を知らない。神奈川県民を知らない。(笑)私も神奈川県民全般のことはよく知らんが、横浜市民には、海と港に対する愛とプライドをDNAレベルで刻み込まれているのだ。おまけに仕事のこととなれば、そりゃあ警備艇のスペックにも港の知識にも詳しくなろう。
タイトル「探花」とは、科挙3位の者のことだとか。国家公務員上級試験を科挙に例えた。竜崎が入庁3位つまり探花、なんと伊丹が2位だそうだ。
伊丹の上に出たくて東大法学部を出て警察に入ったのに、伊丹の方が成績が上だったのは、ちょっと皮肉な設定だ。
さて今作がぼんくら八島の初登場作品。読む前は、レビューを見て何があるのかとドキドキしたが、しょせんは竜崎の敵ではなかったね。うまいこと竜崎の手の平の上で転がされた感じです。歯牙にもかけないとはまさにこのこと。清々しい。
息子の件は、途中でオチに気づくが、案の定でした。
今回も殺人事件の犯人を追うのだが、遺体発見現場が横須賀港のヴェルニー公園。昨年私が米空母エイブラハム・リンカーンを見に行った所だ。犯人が米軍基地に逃げた可能性や白人だったとの目撃証言も出て、基地司令と捜査協力を取り付けるために、竜崎が交渉に出たり、日米地位協定などの政治的な味付けも面白かった。竜崎はまた、ファンを増やした模様だ。
犯人を追いかけて、福岡、千葉、東京と捜査範囲も広がり、あちこちの県警本部に協力依頼の電話を入れるのだが、「あの竜崎さんの頼みなら」という反応をされて、いまいち腑に落ちていないのがおかしかった。
私の中ではツンデレ妻認定されている参事官の阿久津は、もっとデレるのかと思いきや、筋金入りのツンで、なかなかデレない。そこが味わい深いのだが、ラストでついにデレましたね。
「竜崎部長は、人を大切になさる方ですから」
正直阿久津と竜崎のやりとりが今一番の楽しみです。
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