著 者 今野 敏
出 版 新潮社
出 版 新潮社
単行本初版 2010年5月
文庫本初版 2013年1月
文 庫 352ページ
初 読 2024年3月2日
ISBN-10 4101321582
ISBN-13 978-4101321585
読書メーター
文 庫 352ページ
初 読 2024年3月2日
ISBN-10 4101321582
ISBN-13 978-4101321585
読書メーター
スピンアウト的な短編集1冊目は伊丹目線で。幼馴染みの気になるアイツはブレない軸を持つがゆえに、本人は微動だにせずとも周囲が振り回される。とくに伊丹が勝手に右往左往(笑)
助けるよりは助けられる方が多いようだが、めげないのが伊丹の良いところだ。(笑)愛される三枚目キャラ、伊丹。同期の竜崎の視線はややキツいが、そんな竜崎も憎みきれないのが伊丹という男なのだ。
指揮
福島県警刑事部長を務めた伊丹。次の異動の内示はなんと警視庁刑事部長。これは栄転だ。同期のアイツの異動も気になる。東大法学部出身の由緒正しいキャリアである彼の異動先は出世の王道を行く、警察庁長官官房総務課長。伊丹の後任は、これまた東大法出身のキャリア。いかにも官僚らしい官僚で、現場主義の伊丹とは相容れず。殺人事件の捜査本部を実地で引き継ぎたいのに、相手にされない。異動日を迎えて伊丹は困りきるが、そんな伊丹に竜崎は的確にアドバイスする。
とりあえず山口出身の後任キャリアは敵地福島で苦労しやがれ、と思う。(笑)
初陣
同期のアイツから電話。内容は最近世間を賑わせている警察の裏金にまつわる不祥事。助けてくれ、との甘言(?)にのせられてつい、裏金作りの実態についてしゃべったはいいが、今度はその情報を忖度なしで竜崎に使われそうな気がして心臓がばくばくする伊丹。外野から一言いわせてもらえば、交通費はともかく、弁当代が自腹なのは当たり前だ。三食食うのは仕事ではない。「公務員ならだれだってやってるんじゃないのか」「たとえば公立の学校でも・・・」いや、やってないよ〜〜ムリムリ。昭和の時代のことは知らんが。
休暇
俺だって、たまには休暇を取りたい。温泉にだって行きたい。だけど小心なので悪いことをしているようで落ち着かない。それでも一人で温泉に来てやっと寛いでいたところに、大森署管内で殺人事件があった、おまけに大森署長になった同期のアイツが言うことをきかない、との連絡が入り・・・。アイツは都外の温泉に旅行している伊丹に呆れつつも、どうやら絶対に伊丹の休暇の邪魔をすまい、と決意したらしく、捜査本部を作る、という本庁の意向をぶっちして、1時間で事件をスピード解決。超有能であった。
懲戒
先の選挙にからんで、公職選挙法違反のもみ消し疑惑が。警務部長から部下の処分を丸投げされた伊丹は板挟みになる。当事者の刑事は伊丹とは旧知の男で、善良な家庭人でもあるのだ。どうしても懲戒免職にしなければならないのか。苦しいときの竜崎だのみ。原理原則の大鉈と、少々の温情で竜崎は解決策を示す。
病欠
朝起きたらインフルエンザだった。どんなに体調が悪くても出勤するし、現場にでるのが美徳と思っている伊丹は、竜崎に呆れられる。殺人事件で第二方面に捜査本部が立ち上がるが、当該の警察署も周辺の署も、インフルエンザの大流行で戦力半減。捜査どころではない。だが、第二方面で唯一無傷な警察署があった。もちろん大森署。竜崎の指示で、予防とインフル対策は万全だった。
冤罪
冤罪事件が起こった。伊丹は弱り切る。苦しいときはやっぱり竜崎だのみだが、今回はさすがの竜崎にも名案が浮かばないよう。だが、竜崎の最後の助言が伊丹を救う。
試練
ううむ。私はこの話は嬉しくないな。舞台裏は見なくて良い。と思った。
静観
大崎署で捜査ミス?心底心配した伊丹は、大崎署に駆けつける。だが当の幼馴染みの堅物男はまったく焦っていない。目先の情報に飛びつき踊らされる周囲の人間と、正しく物事を観察し、動じない竜崎。ラストの飲み会で、いったい竜崎は何を話したんだか(笑)
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