2024年3月18日月曜日

0473 帝都騒乱 サーベル警視庁2(ハルキ文庫)

書 名 「帝都騒乱 サーベル警視庁2」
著 者 今野 敏    
出 版 角川春樹事務所 2022年8月
文 庫 372ページ
初 読 2024年3月17日
ISBN-10 475844505
ISBN-13 978-4758445054

読書メーター   

 辛くも日露戦争に勝利し講和条約を締結するも、その内容は樺太の半分をせしめたのみ、賠償金はなし。戦費をひねり出すための増税に告ぐ増税に耐えてきた国民の怒りに火が付き、東京市内で暴動となる。市民の怨嗟は首相の桂とその妾の「お鯉」に向けられる。警視庁第一部第一課の刑事達は警備に駆り出され、榎坂にある桂の妾宅に詰めることに。
 途中で死体が出て来てちょっと捜査っぽい雰囲気も出てくるが、全体的に時の空気感を読むような感じ。時は第一次桂太郎内閣。山県有朋、伊藤博文との内紛やら、桂と原敬との協力やら、孫文やらを上手く絡めて、歴史のお勉強とはひと味違う、時代の雰囲気を想像する。
 ラストは、小気味良い。してやられたり。日本にとって大陸が広く自由に感じられた時代でもあったのだろうか。

《日本近代史復習》※ニュービジュアル版新詳世界史図説(浜島書店)参照
徳川家慶 1837〜53
 1852 ロシア船下田に来航
 1853 ペリー 浦賀に来航
徳川家定 1853〜58
 1854 日米和親条約(下田・函館の開港)
 1858 日米修好通商条約
徳川家茂 1858〜66
 1858〜59 安政の大獄
 1860 桜田門外の変
 1862 生麦事件             
 1863 薩英戦争
 1864 四カ国連合艦隊 下関砲撃
徳川慶喜 1866〜67 
 1867 大政奉還・王政復古の大号令・明治改元
明治天皇 1867〜1912
 1869 版籍奉還
 1871 廃藩置県
 1872 鉄道開設(新橋—横浜間)
 1873 徴兵令・地租改正
 1874 台湾出兵・天津条約
 1875 樺太・千島交換条約
 1875 江華島事件
 1876 日朝修好条規(江華条約)・朝鮮開国
 1877 西南戦争
 1879 沖縄県設置
 1881 国会開設の詔
 1881 自由党結成
 1882 日本銀行設立
 1883 鹿鳴館開く
 1885 内閣制度開始
 1888 枢密院設置、市制町村制交付
 1889 大日本国帝国憲法公布
 1890 教育勅語
 1893 条約改正交渉開始(陸奥宗光)
 1894 治外法権を撤廃
 1894〜95 日清戦争 1895 下関上や烏
 1895 閔妃暗殺
 1900 立憲政友会結成
 1901 八幡製鉄所創業開始
 1902 日英同盟
 1904〜05 日露戦争
 1904 第一次日韓協定
 1905 ポーツマス条約  ← イマココ
 1906 夏目漱石「坊っちゃん」発表

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