2018年5月13日日曜日

0115 殺し屋

書 名 「殺し屋」  
著 者 ローレンス・ブロック
翻訳者  田口 俊樹
出 版 二見文庫 1998年9月
初 読 2018/05/13

 殺し屋ケラーさん。
 もう、「ケラーさん」としか言いようのない、このお人である。どこかとぼけた人柄と、非情で殺伐とした稼業のこのギャップ(笑)。
 だけど拳銃は下手くそ。アメリカで、殺し屋で、拳銃下手。そりゃないぜ。

 殺しの手口は、目立たず接近して直接手を下す。
 獲物は毒物、針金、包丁、素手だってイケる。
 決して綺麗な殺しではない。

 殺しの理由は、もちろん依頼があったから。生きていく金のため。それが自分の仕事だから。

 殺される相手には、もっともらしい理由があったりなかったりだが時には人違いの時すらある。
 でもあくまでもスマートにプロの技に徹します。だってニューヨーカーだもの。
 全米をまたにかけて殺しまくっているが、警察は全く出てこないのがややファンタジー風味。

 だけど、なんつーかクセになる、この味わい。

  米国二大殺し屋がグレイマンとケラーって、なんだか間違ってる(笑)。
 じゃあ、ヘンドリックスなのかっていうと、それもどうかと。。。。。。
 それにしても、ケラーの殺しってけっこう「汚い殺し」だと思うのだけど、その瞬間のケラーの表情(てか無表情)を想像すると、日常のおとぼけとの温度差にゾクッとくる。
  ラストの切手収集を続けるために、殺し屋稼業も続行、ってあたりの軽重のズレ感もなかなか素晴らしい(笑)

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