著 者 ローレンス・ブロック
翻訳者 田口 俊樹
出 版 二見書房 (2007/11/27)
初 読 2019/03/02
『鼻差のケラー』
結局勝ったのはどっちなの!ギャンブルよりも深く切手収集にのめり込みつつあるケラーさんが、かなり心配になる。
『ケラーの適応能力』
9.11はケラーさんの精神にも深い打撃を与えたようだ。なにもかも、以前とはちがうのだ。いよいよ情緒不安定なケラーさん。独り言が止まらなくなったので、話相手に犬のぬいぐるみを買う。さすがはケラーさん。てか心配でしょうがなくなる。でもじっくり落ち込んだあと、復活は一瞬だった。さすがはケラーさん。
高級住宅の玄関に防犯カメラが24時間で作動してる、、、なんてことは無いのか。なにしろ塀の警備がしっかりしているから、内部は油断で一杯なのかな。
相変わらず、ケラーさんの事件には警察のけの字もなし。のどかである。
そして、例によって表紙は違うと思う。ケラーさんは銃を使わないでしょ?
ケラーも仕事が長くなってきて思うところが多くなり、ついターゲットに関心を持ってしまう。その結果仕事はイレギュラーな流れになり、だんだん危うくなってきて。いよいよ大転換点が近づいてきているようなフラグが不気味である。ドッグキラーのラストが切ない。
母の記憶が蘇るバスケットゴール、切手収集家のターゲットとつい仲良くなってしまって・・・。切手収集家の最後を自分に重ねたのか、ドットに遺言までするケラーだが、ついに自分が稼業から抜けられないことを自覚する。
とにかく全編を通じて、ほのぼのよりも切なさが際立つ。
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