2021年12月1日水曜日

2021年11月の読書メーター

 11月は、とにかく潜水艦本でした。
 読めて良かった。ハンターキラーシリーズ♥️ そのエピソード、本当にいるの?とか、言いたいことが思い浮かばないでもないが、それはいいんだ。とにかく潜水艦が潜り、水上艦は波頭を割って走り、SEALは敵地に侵入する。それだけで読み応え十分で満足。これは、潜水艦の、潜水艦乗りによるの潜水艦好きのための話なのだ。
 そして、発行から3度目の11月にして遂に読むことができた『11月に去り者』
 奇しくも読み始めたのは11月22日、ケネディ暗殺の日。これは孤独な男の叶わなかった愛の物語。切なく、苦しく、愛おしい。
 同じくハーパーBOOKSから12月に発行されるジェフリー・アーチャーの新刊『まだ見ぬ敵はそこにいる』のプルーフ版先読み。面白かった!何度も書いているが、版権とったハーパーすごい。これからもどんどん攻めて、良い本を沢山出してほしい。


11月に去りし者 (ハーパーBOOKS)11月に去りし者 (ハーパーBOOKS)感想
街全体がジャズのスウィングに身を委ねているニューオーリンズ。ネオンと紫煙とウイスキーと女。裏社会の人脈と危険な仕事。ギャングとしてかなりの地位を築いていたフランク・ギドリーは、自分が頼まれた些細な仕事がケネディ大統領暗殺に関わりがあると気づく。そして、その秘密のために自分が消されると直感し、逃亡せざるを得なくなる。裏社会の仕組みは骨の髄までしみこんでいるから自分が殺される理屈は理解できる、だがそれを受け入れるかどうかは別問題。一方、追跡を命じられた男も淡々と義務を果たす。なぜならそれしか生き方がない。
読了日:11月28日 著者:ルー バーニー

潜水艦のメカニズム完全ガイド潜水艦のメカニズム完全ガイド感想
目下、凝り性および収集癖が猛烈に作動中。いくつか潜水艦の解説本を手に取ったが、これが一番説明が丁寧で読みやすい。潜水艦の構造やバラストタンクのしくみや、水中の音波の原理など。一応知っておくだけで、潜水艦ものの軍事スリラーの理解が深まる。パラパラめくっただけで、誤植がみつかったのはご愛敬。
読了日:11月27日 著者:佐野 正

完全版 最強 世界の潜水艦図鑑完全版 最強 世界の潜水艦図鑑
上の本と合わせてパラパラと。視点が違ったり、解説の濃淡もあるので、両方手にして損はなし。分かったような気分で潜水艦ものの小説を読めるようになる。


潜水艦完全ファイル (万物図鑑シリーズ)潜水艦完全ファイル (万物図鑑シリーズ)感想
Kindle Unlimitedで。写真満載文字少なめなので、昼休憩中にサクッと。
読了日:11月24日 著者:中村秀樹

ハンターキラー 東京核攻撃 下 (ハヤカワ文庫NV)ハンターキラー 東京核攻撃 下 (ハヤカワ文庫NV)感想
イスラム武闘組織による米原潜の乗っ取りと核兵器の積み込み、本当にこんなに上手くいくのだろうか?とか、北朝鮮のクーデターは、ほとんど『潜航せよ』と似たり寄ったりだとか、本筋とはほとんど関係なく血で血を洗う骨肉の争いを繰り広げる随親子とか。まあ、陳腐なところもあるっちゃああるが、ジョン・ワード准将の苦悩とジム候補生の頑張りと、駆逐艦ヒギンズ艦長や原潜トピーカのチャップマン艦長のプロ意識と奮闘でおつりが来る。やはりこれは潜水艦乗りによる潜水艦のための小説なのだ。
読了日:11月22日 著者:ジョージ ウォーレス,ドン キース

ハンターキラー 東京核攻撃 上 (ハヤカワ文庫NV)ハンターキラー 東京核攻撃 上 (ハヤカワ文庫NV)感想
ハンターキラー3作目。今回は日本も舞台に。横須賀基地の旧大日本帝国海軍司令部だった洞窟が米軍の司令部に転用されている描写に心がざわめく。ジョン・ワードの息子は海軍兵学校の四年生でグアムで潜水艦乗務実習に。子供が手を離れた妻のエレンは大学の植物学の研究に戻って、タイで学生を引率して野生の蘭の植生調査に。フィリピンではイスラム超過激派の武闘集団が世界を核戦争に導く事を画策し、北朝鮮では老軍事指導者がやはり核戦争を仕組む。これにアジアの麻薬王の親子の確執が絡み、麻薬捜査官キンケイドもフィリピンで隠密捜査中。
読了日:11月20日 著者:ジョージ ウォーレス,ドン キース

ハンターキラー 潜航せよ〔下〕 (ハヤカワ文庫NV)ハンターキラー 潜航せよ〔下〕 (ハヤカワ文庫NV)感想
下巻に入り、ビーマン率いるSEALsの任務はどんどん難易度が上がってくる。ちょっと昼寝している暇にそこらを散歩してロシア大統領を奪取してこい。そして彼らを迎えにくるグラスの潜水艦〈トレド〉も、狭いフィヨルドの中で対潜艦3隻+ヘリ一機を相手に戦い抜く。一方海上のイージス艦で前線指揮をとるワードは、ロシア原潜を密かに追いつめる。ロシア駆逐艦vs米原潜、米巡洋艦vsロシア原潜。いずれも経験値の差が勝負を分けたか。他方米証券市場を舞台にした民間パート、もっと本筋に絡んでくるのかと思いきや、ほとんど絡まずに終了。
読了日:11月16日 著者:ジョージ・ウォーレス,ドン・キース

ハンターキラー 潜航せよ〔上〕 (ハヤカワ文庫NV)ハンターキラー 潜航せよ〔上〕 (ハヤカワ文庫NV)感想
間をおかずに再読です。前のレビューで間違い。 ジョン・ワードは大西洋潜水艦隊の司令官の一人で、第6戦隊を指揮しているようだ。やっぱりワードが好きだなあ。
読了日:11月15日 著者:ジョージ・ウォーレス,ドン・キース

まだ見ぬ敵はそこにいる ロンドン警視庁麻薬取締独立捜査班 (ハーパーBOOKS, H165)まだ見ぬ敵はそこにいる ロンドン警視庁麻薬取締独立捜査班 (ハーパーBOOKS, H165)感想
先読みプルーフ版が当たって、レビューも先出しです。なのでネタバレはなしで。とにかく、ラストまで読み終わって叫ぶよね。「だから、見えない敵はどこにいるんだぁ!!」と。 伏線と回収、どんでんにつぐどんでん。時間をかけた地道な捜査と逮捕劇、そして、弁護士一家の面目躍如の裁判劇。それなのに、まだ巨悪は影も見えないではないか。なんということだ、このまま、次巻まで待たねばならないとは。なにより、終盤で湧き起こった問題にどう落とし前を付けてくれるのか。気になって仕方ない。なにはともあれ、めっちゃ面白い。オススメ。
読了日:11月11日 著者:ジェフリー・アーチャー

ハンターキラー 潜航せよ〔上〕 (ハヤカワ文庫NV)ハンターキラー 潜航せよ〔上〕 (ハヤカワ文庫NV)感想
SASを「空軍特殊部隊」と訳す痛恨のミス。SASは特殊空挺部隊で陸軍の精鋭中の精鋭。小説での登場も多いが、たとえばリーバス警部は訓練落伍組、マクシム少佐は2期を務めあげた錬達の兵士。そのほか多数。あと、大尉を「若い下士官」としているのは誤訳か脱字か?下士官と下級士官、一字あるかないかで大違いだ。なおいずれもストーリーにはまったく影響はない。共著者の一人がもと原潜の艦長なだけに、原潜内のあれこれや人間関係の描写は精緻で非常に魅力的。その分敵役が平凡に見えてしまうのは前巻の『最後の任務』と同様。
読了日:11月09日 著者:ジョージ・ウォーレス,ドン・キース

ハンターキラー 最後の任務 下 (ハヤカワ文庫NV)ハンターキラー 最後の任務 下 (ハヤカワ文庫NV)感想
さて、下巻です。反政府指導者、麻薬捜査官、現地潜入のSEAL、潜水艦と細かくパートを刻んでくるが、さすがにペースが上がってスリルも高まる。潜水艦パートは安定の面白さ。《エル・ファルコーネ》の正体は予想通りで、これに気付かない麻薬王のしょぼさが際立つ。一方の潜水艦艦長ワードが部下思いで有能。一糸乱れれぬ艦内の統率ぶりはただただ気持ちよい。長期間の単独行動をむねとする潜水艦の艦長は裁量の幅が広く、自立心旺盛でクセがつよい、またそれでこそ有能・・・ということで、意に沿わない指令には断固として抵抗も。
読了日:11月03日 著者:ジョージ ウォーレス,ドン キース

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