2021年12月31日金曜日

2021年12月の読書メーター

 2021年12月の読書は、実質3冊。とはいえ、『ヒューマン・ファクター』と『クリスタル』を読めたのは大きい。そうこうしていたら、アンドリュー・ヴァクス氏の訃報が。往く年来る年、去る人もいれば、新しく生を受ける人もいるだろう。この世にある全ての命に必要なだけの愛を。困難には力を。 周囲には優しさを。

12月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:1839
ナイス数:1070

クリスタル (ハヤカワ・ミステリ文庫)クリスタル (ハヤカワ・ミステリ文庫)感想
【追悼 アンドリュー・ヴァクス読書会】今作、バークは長年住んだ隠れ家と“表の顔”の身元を失い、生計手段もすべて失い、おまけにパンジイを危うく失いかける危機に晒された。その上に恋人のクリスタル・ベスを喪失する。バークの精神のたがが緩み始めたようで頻繁に解離を起こしている。ファミリイも案じている。バークはクリスタル・ベスの復讐を胸に誓うが、情報がない。クリスタル・ベスが殺された事件をきっかけにゲイ迫害者と小児性愛者を殺害する事件が頻発し、バークも容疑者の一人に。バークは独自に犯人を追い、WEB上で接触するが。
読了日:12月30日 著者:アンドリュー ヴァクス


ヒューマン・ファクター―グレアム・グリーン・セレクション (ハヤカワepi文庫)ヒューマン・ファクター―グレアム・グリーン・セレクション (ハヤカワepi文庫)感想
“スパイ小説”というよりは二重スパイを主人公とした文学作品の趣き。機密情報漏洩の内部査察と若い同僚の突然の死を契機に、沈黙のうちに務めを果たしていたMI6の古参スパイが心理的に破綻していく。3人の上官の描写も見事で、医師の酷薄さがリアルで小説とは思えない。無残なラストが深く心に残る。人は卑小な存在なのに他人の人生や国や歴史、大きな物事を動かしたがりすぎる。妻と息子の小さな「祖国」を守ることは許されないことなのか。どこにも“こうすればよかった”というターニングポイントなどない。カッスルの寂しさが胸に痛い。
読了日:12月18日 著者:グレアム グリーン

エリカ 奇跡のいのちエリカ 奇跡のいのち感想
『神様の貨物』と通じるお話と聞いて。600万人。当時のヨーロッパのユダヤ人の半数以上。これは一人の狂人のやったことではないことをしっかりと記憶したい。私も、あなたも、殺される側にも、殺す側にも立ち得るからこそ。
読了日:12月15日 著者:ルース・バンダー ジー

虚妄の女王~辺境警備外伝~ 2 (ボニータ・コミックス)虚妄の女王~辺境警備外伝~ 2 (ボニータ・コミックス)感想
コレは? 辺境警備番外編の『星の生まれた谷』の続き? あの隊長さんのシリアスヴァージョン『軍団長』、かっこいいです。あとは神官さんの登場を待つのみ。
読了日:12月15日 著者:紫堂恭子
虚妄の女王~辺境警備外伝~ 1 (ボニータ・コミックス)虚妄の女王~辺境警備外伝~ 1 (ボニータ・コミックス)
読了日:12月15日 著者:紫堂恭子

米海軍で屈指の潜水艦艦長による「最強組織」の作り方米海軍で屈指の潜水艦艦長による「最強組織」の作り方感想
 自分が仕事ができていると感じている時の充足感や、業務にひいては社会にコミットしている、と思える時の健全な満足感は、人が仕事をして、それによって長い人生を生きていく上でとても大切で必要なもの。またそれによって組織は有機的に動き出し、想像以上のスピードと成果を上げることができる。「優秀ではない」とされた米原潜で、艦の能力を高めるために、命令による支配ではなく、権限の委譲と各自の責任に基づく判断を尊重し、技能と理解の向上に取り組んだマルケ艦長(当時大佐)の実践を簡潔にまとめたもの。非常に面白いとともに有用。
読了日:12月04日 著者:L・デビッド・マルケ

 付箋を貼って、コメントいれつつ再読。ついでにお仕事スイッチがON。予定していた年末とは違った展開になっているかも。上司を戴く立場としても部下を持つ立場としても、学ぶことの多い良書ですよ。
読了日:12月11日 著者:L・デビッド・マルケ


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