著 者 今野 敏
出 版 新潮社 単行本初版2009年3月
文庫本初版2012年1月
文 庫 330ページ
初 読 2024年2月18日
ISBN-10 4103002530
ISBN-13 978-4103002536
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/119077628
さて、竜崎。あなた、ちょっと書店にいって、『隠蔽捜査』って本を読んでいらっしゃい。恋愛は犬猫でもできる。って主人公がいってるわよ。 と思わず言いたくなるような、突然のフォール・イン・ラブ(笑)。 交通事故にあったようだ、と当人が言ってるにしても、あまりに唐突で読んでいるこちらがびっくりだ。あまりにも竜崎がアワアワしているので、こっちまで赤面しそう。わたしこういう恋愛モノは苦手だわ〜〜〜〜〜と思って、つい4巻を手にとり、先に読了してしまったよ。
だがしかし、やはり我らが唐変木の朴念仁は理性の人であるので、この難局の乗り切り方ももひと味違う。禅の公案を考え続け、一つの結論に到る。というよりは目からウロコが落ちる。いわく「全て受け入れる」。つまるところ、アワアワするのを辞める。それだけの事だが、なにかを突き抜けた感がある竜崎は爽やか。自己完結しただけと言えなくもないような気がするが・・・・・
事件のほうは、米大統領の訪日に合わせた特別警備体制に巻き込まれるところから。警備本部が立ち上がり、なぜか第二方面本部長の頭越しに羽田を含む警備本部長の任命が、竜崎に降りてくる。管内で不審な交通事故が発生し、米国側シークレットサービスが乗り込んでくるし、米大統領を狙ったテロ計画まで見え隠れして、と羽田空港を抱える大田区ならではのストーリー立てが面白かった。刑事の戸高とのやり取りが面白い。
これまでは理性と合理性で全てを押し切ってきた竜崎だったが、もしかしたらこの経験で少し深みが加わったかもね?
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