2019年8月24日土曜日

0179 ミニスカ宇宙海賊 2  黄金の幽霊船

書 名 「ミニスカ宇宙海賊 2  黄金の幽霊船」 
著 者 笹本祐一 
出 版 KADOKAWA (2018/12/25) 
初 読 2019/08/24 

ミニスカ・パイレーツ。海賊船船長修行中の茉莉香さん、危機になればなるほど腹が据わって判断が速くなるのが船長たるところ。
今回は由緒正しき王家のお家騒動?に巻き込まれ、王家の宝である「黄金の幽霊船」を探す旅、という趣向。
まあネタはどうでも良い。ただひたすら宇宙船を飛ばす蘊蓄を、宇宙大好き宇宙船大好きな笹本サンが垂れ流す、これ、そういう本というかシリーズである。
良家の子女が集う名門女子高➕クルクル縦ロールの元気娘➕海賊コスプレミニスカート ➕王家のお姫様➕海賊船➕幽霊船➕艦対艦戦 で破綻せずにまとまってるところに力技を感じマス。

2019年8月20日火曜日

0178 ミニスカ宇宙海賊 1

書 名 「ミニスカ宇宙海賊 1」 
著 者 笹本祐一 
出 版 KADOKAWA (2018/12/25) 
初 読 2019/08/20 

朝日ノベルズ版は2008年、こちらは角川版2018年もの。
『幼女戦記』と同じく、表紙とタイトルが誤解(?)を招く系。中身は立派なスペオペ・・・って言ったってミニスカでパイレーツな訳だが。

 旧式の電子戦闘艦(電子戦特化した海賊船)しかも帆船を女子高生達が飛ばす、「宇宙船が飛ぶ」ことに関してのうんちくが詰まった一品。さすがの笹本サン。軽いノリで読みやすいが、なにげに本格派。最近角川から再販されましたが、単行本だったのが残念。文庫本化したら、全巻買うわ〜。今回はKindleにて。

2019年6月14日金曜日

ラバーガンとアサシン


 息子がどこぞでラバーガンとナイロン製のホルスターを入手してきた。ホルスターからラバーガンを抜く時に、しゅっというかざっというかの擦過音がするので、その音が嫌だ、と言ったら、それアサシンの発想、と息子に指摘された。
 すまぬ。母の頭の中は暗殺者かもしれない。しかし、戦場ではそんな細かい音は気にならないというお主は何者なんだ?

2019年5月12日日曜日

0177 指名手配 (創元推理文庫) —コール&パイク17

書 名 「指名手配」 
原 題 「The Wanted」2017年 
著 者 ロバート・クレイス 
翻訳者 高橋 恭美子 
出 版 創元推理文庫 2019/05/11 
初 読 2019/05/12 

 まず登場人物欄をチェック。スコットとマギーは登場しない。知ってたけどやはり残念。これは念願の待ちに待ったC&Pの新刊である。と思いきや、なんだか訳ありそうな二人組がいきなり登場、その名もハーヴェイ。今回は2対2か?

 かつては電話が仕事道具だったコールも今や事務所のウェブサイトを持っている。フェイスブック、ツイッターなんて言葉も出てくる。コールが時代の変化にちゃんと乗っかっていて嬉しい。
 可愛げ皆無な同居人(猫)も健在。
 前作から関係が続いているヘスにご飯をねだられ、せっかく厚切り子牛肉を仕込んでいたのに突然の予定変更。料理の手順も肉を焼く音も完璧!しかしご相伴はいつもと同じやぶにらみの猫。ワクワクのディナーが一人メシに転じて、コールの人恋しさはひとしお。自ずと依頼者の母子家庭と自分の境遇を重ねて物思いが募る。

 私は子供が好きで、いい父親になれると思っていたが、自分の子供はいない。ルーシーの息子ベンは息子のように愛しい、「やっぱりあの父親を殺しておくべきだった」
 おいおい。まあ、C&P9作目『The Last Detective 』(日本未訳/創元さんお願い!!)の経緯を考えればいたしかたない。「私には子供がいない。猫が一匹いる。」いきなり序盤にこんな叙情たっぷりなシーンをブチ込んでくる著者クレイスの鬼畜っぷりは健在。コールファンとしては胸が掻きむしられるところ。

 最終章ではそのベンが登場、これは読者サービスかな?
 ベンはルイジアナ州立大学の大学生になっていて、背丈はもうコールと同じくらい。コールの影響を受けてかは知らないが、武術を習っている。親子にはなり損ねた二人が重ねてきた時間をしばし想像する。
 
 ところで彼の同居猫がコール35歳の時にはすでに貫禄のある成猫だったことはシリーズ愛読者公然の秘密♪あと数年生きれば立派な猫又です。

2019年5月9日木曜日

0176 ロンリー・ハート

書 名 「ロンリー・ハート」 
著 者 ジョン ハーヴェイ 
翻訳者 夏来 健次 
出 版 社会思想社  現代教養文庫(1992/5/1) 
初 読 2019/05/09 

 携帯も、ポケベルすら無く、コンピュータは有益な情報をはき出させるにも多大な手間が必要で、刑事達は足でひたすら聞き込みをし、モノをいうのはデカの直感。

 孤独な男女はSNSなど無い時代、雑誌や新聞の1行広告で出会いを求める。

「当方、○○歳女性、独身。ハンサムで知的で優しい男性を求む。お手紙ください。」

 孤独な女性がロンリーハートという広告欄に投稿し、そして無残な死体となる。

 4匹の猫にかしづくやもめの警部が、黙々と捜査。部下を案じ、猫を首に巻き、家にいる時は常に猫の数をかぞえつつ。
 大事なアパートに被害が及んだのは気の毒だが、猫に害がなくてよかった。次の巻、彼はこのアパートに住んでいるんだろうか、とそこが心配。
 気配のない猫を家中探し歩いたら洗濯物カゴの中で寝てたり、夜中に重い!と思ったら胸の上に猫が座ってたりの猫飼いの日常がいちいち腑に落ちて楽しい。
 完璧有能ハンサム美意識高いスポーツマン上司(警視)が、能力だけではなく人間的にもすごい人設定。上司に恵まれないボッシュにレンタルしてあげたい。
 イギリス警察の警視、って一つの小説のスタイルなのかな。「警視の○○」シリーズも積みつつあるので、読まなければ。あれ、レズニックの家はアパートじゃなくて戸建てだったかな?勝手にイメージ作ってたっぽいが、どっちだったっけ?

2019年4月27日土曜日

0175 回帰者

書 名 「回帰者」 
著 者 グレッグ・ルッカ 
翻訳者 飯干 京子 
出 版 講談社 (2010/8/12) 
初 読 2019/04/27

 アリーナが携帯で「アティカス」と呼びかけて思わず驚いた。そうだこいつ、アティカスだったっけ!
 それくらいの変貌ぶり。 
 複数の偽造パスポートを使いこなし、黒海を中心にグルジア、トルコ、ドバイ、ロシアと駆け回り、次の日にはアメリカに飛びその次はアイルランド。
 もはや世界を股にかける裏世界の住人となったアティカス。でも「守る」という信念だけは変わらない。鉄板のいい人であることも。

 恋人の妊娠中絶から始まった彼の物語は大きならせんを描き原点に回帰する。
 アリーナが身ごもり、人身売買の犠牲となったグルジアで隣家に済んでいた少女を助けだし、アティカスの守るべき家族は3人となる。安息の地をカナダに求め、本当にこれから、家族を守って平穏に暮らしていけるか心底心配。こんなに先行きが心配になる主人公も珍しい。

 回帰、といえば、シリーズ一冊目では「守るべき者を守りきれなかった」守護者は、今作ではついに、味方に一人の死者を出すことも無く、少女の奪還を果たした。無傷で、とはいえず、これからも守り続けなくてはならないとはいえ。
 祖国への回帰、出発点への回帰、守護者への回帰と、邦題限定とはいえ、良いタイトルを選んでいる。これでアティカスとお別れなのが寂しい。こんな大河ドラマになるとは、最初の一冊では思いもよらなかった。いやあ、堪能した。

2019年4月18日木曜日

0174 哀国者

書 名 「哀国者 」 
著 者 グレッグ・ルッカ 
翻訳者 飯干 京子 
出 版 講談社 (2008/9/12) 
初 読 2019/04/18

 大切な友の死と、負傷と潜伏を経て、寡黙なボディーガードが暗殺者になる。

「俺は今までは連中がどう思おうと警護者だったが、あんたのためにテンの一員になってやる」

 と、アティカスにトレントに向かって言わせたかったな! 自分が餌になったり、トレントを◯したり、アティカスの作戦はリスクの方が高くつきそうでイマイチ納得出来ないのだけど、まるでバレエのグラン・パのような、アリーナとアティカスの作戦行動は手に汗握る展開。

 一生懸命だけどスキだらけだった初期のアティカスが懐かしいほどの全方位戦闘態勢。さて次が最終巻。名残惜しい。

2019年4月12日金曜日

0172−73 逸脱者 上・下

書 名 「逸脱者 上」 「逸脱者 下」 
著 者 グレッグ・ルッカ 
翻訳者 飯干 京子
出 版 講談社  (2006/1/13) 
初 読 2019/04/12


 上巻冒頭、ボディガードとして有名になり、一流と認められた代償として、ろくでもない仕事もこなさざるをえないアティカス。依頼者にぶち切れるところからスタート。次の仕事は、英国の社会活動家の警護。そして、“ドラマ”が忍び寄る。
 上巻後半は殆ど姿の見えない“ドラマ”とアティカスの一騎討ち、というよりワンサイドゲーム。
 ひたすら指示に従っているようで、何か確かな繋がりを紡いでいるような展開。令嬢を間に置いた仲間達とのジョークの応酬や心温まるひとときもこれで見納めとなる予感をひしひしと感じる。
 一方でブリジットとの破局の仄めかし。ココがホントのターニングポイント。下巻新章からは、アティカスは向こう側にいってしまうのだろう。

 さて下巻は、上巻とはまったく違うステージ。
 “ドラマ”ことアリーナに拉致されたアティカス。そして、アリーナの依頼は、自身の警護だった。アティカスとの戦いで“テン”からも狙われることになったアリーナは、ボディーガートというよりは、仲間を欲していた。だからといって、アティカスがこういう風に巻かれるのか、と思わないではないが。
 アティカスはアリーナの隠れ家で、アリーナと暮らすことになる。最初は不本意に、そしてやがて、アリーナに心惹かれて。で、そこに、踏み込んでくるブリジットとクリス。
 暗殺者を題材にする危険に無自覚に踏み込むクリスの軽さ。
 殺し屋を引き連れて隠れ家に意気揚々と攻め込んでくるブリジット。
 おいおい、勘弁してくれ!不公平って何が?クリスの死の責任はスルーか?これは痛い。アティカスがアリーナ側に飲み込まれる展開がいささか説得力に欠ける気がするし、こっちをエピソード盛り盛りにして、ドラマティックに仕立ててくれてもよかったのにと思わないでもない。それに、アリーナの動きが封じられてしまったのもちょっと残念。

 銃とは切ってもきれぬ縁とは言え、善良な市民であったはずのアティカスが、分不相応?な敵と渡りあったせいで、手に負えない凶運ともいうべきものに巻きこまれていく、その事に無自覚無抵抗な所が、ナタリー父に忌み嫌われる所以。
 本人が被害に遭うだけならただのアクションだけど、きっちり周囲の人間を巻き込んで死人を量産するところがルッカのドSなところだ。
 さあアティカス、お前は明日、何処に行くのか?

 私の読みが足りないのかもしれないけど、アティカスがCIAに開帳した闇金の動きを何処で入手したのだろう?アリーナの情報だけじゃ足りない気がする。
 もうひとつ。アリーナとの共同戦線で、遠距離射撃で仕留めるつもりがなければ、なぜ危険を冒してアリーナに現場を下見させたのか。
 私は初めからアリーナが狙撃するんだと思ってたんだけど、それをアティカスが考えていなかったってのが理解できん。
 限界を超えても信念を譲らない青臭いアティカスに小一時間くらい小言を垂れたいとは思うが、まあ、それも魅力のうちなのだから仕方ない。

2019年4月3日水曜日

0171 暗殺者

書 名 「暗殺者」 
著 者 グレッグ・ルッカ 
翻訳者 古沢 嘉通 
出 版 講談社 (2002/2/15) 
初 読 2019/04/03 

 暗殺者“ドラマ”登場。出てきた瞬間からキャラが立つ。これまでガサツな口をきく女ばかりが登場してきたが、穏やかで美しい言葉使いの“ドラマ”、大きくはないのに、良く通る綺麗な声が聞こえてくるよう。いきなりフラグ立ってる?立ってるよね?

 怒濤の展開だけではなく、仲間内のウィットに富んだ会話がめちゃくちゃ楽しい。今回一番笑ったのは、この台詞。アティカスとナタリーの濡れ場を写真に撮られ、それを見たがるデイル。
「おまえはホモなんだぞ、忘れたのか?」
「その写真にはあんたも写ってるんだろうが、鈍感め」
「許してくれ、あのときのおれは許しがたいほどの異性愛者だったんだ」いい。すごくイイ!デイル最高!!


2019年3月29日金曜日

0170 奪回者

書 名 「奪回者」 
著 者 グレッグ・ルッカ 
翻訳者 古沢 嘉通 
出 版 講談社 (2000/11/15) 
初 読 2019/03/29 

 今回も痛い痛い、いたぁぁぁい!
前作は心が痛そうだったが、今作はとにかく肉体的に痛い。作者のドSぶりが光っている。
 エリカの言葉使いはもう少し何とかならなかったものか?前作では気にならなかった翻訳も、ん?と思うところあり。でも読み易さにはさほどの影響はなし。今回もぐんぐん読ませてくれる。国防総省の諜報用裏資金“スーパーブラックマネー”を原資に、SAS上がりの傭兵を抱き込んで、壮大な夫婦喧嘩がマンハッタンで勃発。
 父親も母親も大概だが、ロバートがスマートでプロフェッショナルなのがわたし好みだ。頑固なところも良し。

 それにしても、アティカス、グダグダなくせに女にモテすぎだ。ダメな奴だから愛されるのか?女だけでなく、男にもモテてるしなあ。まだまだ発展途上なところが良いのだろうか。ところで、ときどきブリジットがレヴィと被るんだけど、わたしのイメージ力が貧困なんだろーか。。。