2023年5月26日金曜日

0426 ジャベリン・ゲーム サッチョウのカッコウ (ハルキ文庫)

書 名 「ジャベリン・ゲーム サッチョウのカッコウ
著 者 田村 和大    
出 版 角川春樹事務所  2023年2月
文 庫 317ページ
初 読 2023年5月25日
ISBN-10 4758445419
ISBN-13 978-4758445412
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/11395961  

 流石に17歳の高校生にいきなりCIA入局を迫るのは荒唐無稽ではないか?などど最初に思ってしまったのだが、ああ、でもジェントリーが犯罪を犯してCIAにスカウトされたのはそのくらいだったかも? 海外小説だと気にならないのに、日本の小説だと気になってしまうのは、やはり国内モノだと“常識”に捕らわれてしまうのだろうか。こういうところで蹴躓いているとせっかくの面白いストーリーに乗れないので、ここはグッとこらえよう。
 大学教授だった父が首を縊られた異様な姿で息絶えているのを発見した17歳の穣は、両親がCIAのエージェントだったことを知る。この時から穣は、父の死を解明し仇を取るため、CIAのエージェントとして育成され、そののち日本の警察組織に潜入して、公安内のロシア諜報組織を追うことを運命づけられる。 
 
 というわけで、日米ハーフの警察官僚が実はCIAのアセットで、米軍で盗まれ、日本国内に持ち込まれ、ロシアに利用されようとしているジャベリンミサイルの行方を、警察の特別調査班の顔をしながら、実は米国大統領命を背負って追う。という和製エスピオナージ。主役の穣(じょう)が、有能な指揮官でユーモアもあり、悩める青年でもあり、で誰かに似ているなあ、と思ったのだが、私の大好きなマックス・ロビショー少佐(『栄光の旗のもとに』ハヤカワSF文庫)と似ているのだな。経験値のすくないデスクワークよりの警察官僚であるはずだが、サクサクと現場指揮をとり、ロシアスパイの陰謀を追いかける。手持ちの兵隊が少ないので、西条刑事がこき使われているのが若干気の毒であるが。銃撃戦あり、海(海上保安庁巡視船)もあり、カーチェイスがないのが不思議なくらいの盛り沢山を、さくっと軽いノリで描く。
 ほんとにこの追跡劇をこの少人数でよいのか?という少数精鋭チームなのだが、最後のびっくり箱のような種明かしには参った。息子の本当のハンドラーは実はかーちゃんなのか?
 そして、父の敵、のロシアスパイはこれからどうするんだ? 事件は一応の解決を見たが、本当のクローハンマー作戦の展開はこれから。今作は役者紹介に過ぎないようだ。私としては西条刑事の今後の不幸を見定めたいところ。ベロニカと美和が実は同級生、とか親友、みたいな展開を希望。
続刊を期待。

2023年5月21日日曜日

0425 機捜235 (光文社文庫)

書 名 「機捜235」
著 者 今野 敏    
出 版 光文社 単行本 2019年3月/文庫2022年4月
文 庫 312ページ
初 読 2023年5月20日
ISBN-10 4334793401
ISBN-13 978-4334793401
読書メーター  
  
 今野敏さん初読み。すごく読みやすくて、一日で読了できてしまった。面白かった。
 「機捜」機動捜査隊。覆面パトカーで都内を巡回し、事件が起きれば駆けつけて初動捜査を担う。刑事の花形、捜査一課を目指す若手のエリートコースの一つなのだそうだ。『機層235』とは“俺”こと機捜隊員の高丸と、そのバディがのる覆面パトカーのコールサイン。無線で呼び合うときに名乗るやつ。
 所属は警視庁第二機動捜査隊。渋谷署内の分駐所に所属する。最初読んでいて分駐所とはなんぞや、と思ったが、この機捜は警視庁所属なので、所轄の渋谷署にいても渋谷署の所属ではなく、あくまで本庁の分駐所という立場なんだな、と理解する。
 高丸は将来は捜査一課にも行きたいと意欲を燃やす元気な若手。バディを組んでいた気心のしれた同期が、生憎と任務中に怪我をして一時戦線を離脱し、その間新たに高丸のパートナーとして着任してきたのが、なんと定年間際の白髪頭のおっさん。
 冴えない・目立たないしょぼくれた中年の縞長は、階級もまだ若い高丸と同じ「巡査部長」。一体何なんだ!といぶかしいやら腹立たしいやらで困惑する高丸だったが、このおっさんが実はタダ者ではなかった、という、ある意味安定のバディもの。

 最初はギクシャクする凸凹バディだが、この縞長が犯人を見分ける「見当たり捜査」のプロフェッショナル。巡回の車中から、町中の雑踏にまぎれる指名手配犯を一目で見分ける。さすがに犯人を追いかけての全力疾走はきつくても、犯人と相対したときの、柔道3段、合気道5段の逮捕術は逸品。このおっさん、機捜でのキャリアは長い高丸も目を見張る(地味な)活躍を見せるのだ。
 高丸は縞長の現場の捜査員としての心意気に、縞長は高丸の熱意にそれぞれ感化されながら、信頼を深めていく短編連作。サクサク読めて面白いです。続刊も読みたいけど、文庫本化待ちだな。

2023年5月19日金曜日

0424 スティグマータ (新潮文庫)

書 名 「スティグマータ」
著 者 近藤 史恵        
出 版 新潮社 単行本 2016年6月/文庫 2019年1月  
文 庫 402ページ
初 読 2023年5月19日
ISBN-10 4101312656
ISBN-13 978-4101312651
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/113841586

 ヨーロッパで日本人の先陣を切って走っているチカもすでに5年。30歳になり、すでにベテランの域に達している。ツールで総合優勝を飾ったこともあるミッコのアシストとして知っている人も多い。日本での相棒である伊庭も今年からヨーロッパのチームに移籍し、ツール・ド・フランスでのステージ優勝を虎視眈々と狙う。チカは新しいオランジェフランセというチームに加わり、ニコラのアシストを務める。
 少々陰鬱なところもある思索に耽りがちなチカの語りに付き合って、うっかりするとこちらも鬱々としてきそうだ。これ、体調が悪いときに読んだら本当に鬱るかも。それでもなお、走り続けるレーサーであり、スポーツである。自転車レース鑑賞の経験が乏しい私はつい、何回も観た『茄子ースーツケースの渡り鳥』と比較してしまうのだが、まあほぼ、テーマは同じなのかな、と思う。
 人生に起こりえた様々な出来事や幸福や安楽を辛く厳しいロードレースに捧げ、そのことに苦しみながらも、なお、走ることを止められない因果な選手達の物語だ。
 そんなせいで、このストーリーの核心にいるチーム・ラゾワルのメネンコが私の脳内で『茄子』に登場するチーム・ゴルチンコのザンコーニの絵になってしまうのも仕方がない。幸いにして、チカがぺぺの絵になることはない。絶対にない。
 
 前作を読んだ時にも書いたが、チカの闘い方は、日本人的だ、と思う。参謀に重きをなす。大将を支え続けるナンバー2。大石内蔵助、弁慶、土方歳三、オーベ・・・(違うか?ここはキルヒアイスか?)、主君に殉ずることを美徳と捉えることのできる日本人は、アシスト向きかもしれない。そのチカは、冷静な観察眼と、培った経験と人脈でレースの行方を自分なりに見切り、ニコラを支える。チカの価値に気づけないなら監督失格だろう、チカが来年の契約を獲得できて良かった。ついでにニコラがまた、相変わらず可愛い。
 チカが、3週間続くツール・ド・フランスを全力で駆け抜けながら、私も一緒にツールに連れて行ってくれる。僥倖である。

 大変余談であるが、職場にいく道中の坂道で、同じ職場の方と「この坂道がね〜」という話になり、ついうっかり、「この坂道を超えれば後は平坦だから!」と口走った私であった。

2023年5月13日土曜日

0423 ペダリング・ハイ (小学館文庫)

書 名 「ペダリング・ハイ」
著 者 高千穂 遙        
出 版 小学館  単行本2017年11月
         文庫 2019年12月
文 庫 381ページ
初 読 2023年5月15日
ISBN-10 4094067264
ISBN-13 978-4094067262
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/113752414


 読んだらとりあえず、自転車を買いたくなる、そして走りたくなること請け合い。スポーツ車を買いたいのはもちろんだが、素人には本格的なロードバイクは難易度が高い。自分はドロップハンドルはブレーキや変速機を使いこなせる自信がない。んなわけで、街乗り用のスポーティに「見えて」格好良くて、お手頃価格なのを探すことになる。あくまでも探すだけ。それよりも放置しているミニベロのタイヤ交換をせねば・・・・・
 このミニベロちゃんは、最愛のクロモリのミニベロを家の前から盗まれたあと、同型のものが見つからず涙を呑んで(?)購入した2代目で、1代目への憧憬捨てがたく、どうしても扱いがぞんざいになっている可哀想な子。それでも手元に来たときにブルホーンバーハンドルをフラットに付け替えたり、自分のこのみにあわせて多少はカスタマイズしたのだ・・・・・んなことは置いておいて、だ。
 大学進学で東京に念願の一人暮らしを始めた主人公こと日夏竜二。進学した大学は「八橋大学」なんなんだ八橋って? 二橋大学じゃだめだったのか?とかも置いておいて。家庭の事情とやらで調布市深大寺に居を定めたものの、普段の足に自転車が必要。多摩の若葉台に住む叔父から譲り受けた従兄弟のロードバイクはかなり老朽していて・・・・・
 必要に迫られて入った自転車屋で、その自転車屋を拠点にしている自転車レースチームの面々に取り囲まれ、その熱波に巻き込まれて、あれよあれよというまに競技に参加することになっていく主人公と、仲間達が、熱い! 近藤史恵氏の「サクリファイス」シリーズはトッププロの物語なだけに、さすがに自分で自転車乗ろうという気分にはならないのだが、この本は確実に、確実に自転車に乗りたくなる。私もこんな風に熱い青春を送りたかったわ〜と、なんとなく切なくもなるのはあくまでこちらの個人的事情であって、とにかく自転車競技の基礎や用語、チーム競技のノウハウなども満載され、これから、ツールやらの自転車競技の観戦も面白くなるに違いないオススメの一冊である。

0422 悪しき正義をつかまえろ ロンドン警視庁内務監察特別捜査班 (ハーパーBOOKS)

書 名 「悪しき正義をつかまえろ ロンドン警視庁内務監察特別捜査班」
原 題 「TURN A BLINF EYE」2021年
著 者 ジェフリー・アーチャー    
翻訳者 戸田 裕之    
出 版 ハーパーコリンズ・ジャパン 2022年10月
文 庫 528ページ
初 読 2023年5月12日
ISBN-10 4596754411
ISBN-13 978-4596754417
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/113712654 

 今作もずっしり重い。隅から隅まで、エピソードがまるで英国菓子のクリスマスプディングのように混ぜ込まれてぎっしり詰め込まれている。
 警察物、捜査物、裁判物として、いろいろと不満が無いわけじゃない。
 ある意味大味な作品でもあって、例えば脱獄した重犯罪人が海外逃亡した挙げ句に外国で死体になったら、死体の返還を求めないのだろうかとか、英国とスイスの捜査協定ってどうなってるんだ、とか、いくらなんでも顔の現認ぐらいできるだろーが、とか。スコットランドヤードは退職した汚職警官から制服や通行証や身分証を返還させないのか?(それあり得ないでしょ?)とか、囮捜査と隠密捜査がごっちゃになっていないか、とか、証拠品を押収する際に、それが置いてあった状況やら証拠品を写真撮影しないのだろうか、とか。もし、証拠写真があったら、裁判で開示された写真が現物ではないことが照明できないか?・・・・・などなど、引っかかるポイントは多々ある。しかしまあ、そうは言っても、この作品が面白いことには間違いない。

 クリスティーナもまだまだ何枚も化けの皮をかぶってそうだし、この狐と狸夫婦の今後の波乱も楽しみのひとつ。次は殺人班ということで、サクサク出世していく主人公、いちおう次作も楽しみにしている。



  

2023年5月7日日曜日

「家仕舞い」始末記

 2年ほど前に義父が亡くなってから、某中部地方の大きな一戸建てで独居していた義母が、やはり一人では寂しいと都下の高齢者住宅に移り住んだのが先の冬。
  住んでいたのは義母が50代に入ったころに、やはり独居となった義父の母(つまり義母からみたら姑)と同居するために移り住んだ義父の故郷。日々の買い物に行くも車が必要な地域で、80代になった義母が車の運転を続けているのも心配なことだった。サービスが良く、良いコミュニティを創っている高齢者住宅があることを義母が親戚の伝手で知り、そこならば、と私と夫も賛成して、転居の運びとなった。
 ワンルームに持ち込める家財はごく限られており、家のサイズにふさわしく物持ちだった義母は思いきって身の回りのものだけ持って東京に移り住み、今のところ、日々楽しく充実しているとのことなので、良かったと思う。

 のこる問題は、あとに丸々残してきた、家と家財である。
 
 思い切りよく「全部任せる」と言っていただいたのはありがたい。
 こちらの住まいも狭いので、引き継げるものにも限りがある。買い手・貰い手がつかないものは、すべて(廃棄業者にお金を払って)処分する、とはあらかじめ夫が決めてあり、見積もり合わせをして、処分業者もすでに決めてあった。
 大画面のテレビや、ブルーレイレコーダー、大型の空気清浄機などは、ネットコミュニティ経由で地元で引き取り手が見つかった。

 それにしても、だ。

 義母はもともと多趣味なお人なので、お茶、お花、短歌、手鞠を始めとして手芸作品は、完成品から制作途中の半作品そして大量の道具と材料。とにかく、私が知っているありとあらゆる「手芸」のテキスト本と材料と作品が、それはそれは大量に、家のあちらこちらの物入れから出てくる。
 和室にはお茶の炉が切ってあるし、お茶室の設えがあるということは、窯からなにから、茶道具は全て揃っている。華道教授の看板もある。掛け軸やら、花器やら、お茶やお花に付随ずるものもはたぶんすべてある。以前は盆暮れに一族が集まったのだろう、大きな盛り皿やら、漆器の銘々皿なんかも沢山。座敷の座卓も、それは立派で重いものが残されている。着物は、義父の両親の代のものから残っている。

 これを、全部ゴミにしなければならないのか?

 託されたとはいえ、人の人生ぜんぶ丸々処分しなければならない気分になってしまって、閉口する。
 せめて、螺鈿の細工の大きい立派な座卓と、着物、茶道具、花器、飾り額、本、民芸家具調の本棚、そしてモノを見て捨てがたくなったウールの中国段通の絨毯だけは何とかしたいと、このゴールデンウイーク中、文字通り我ながら奮闘した。
 クロネコさんの家財便が3本。修理に出す家具の引き取りで1本。絨毯クリーニングの引き取りは佐川さん。その他、古本買い取りの集荷が2回、宅急便の送り出しが3回。古物や着物の出張買い取り業者さんが3件。
 状態の良い本棚は一本を自宅に、一本を夫の仕事場に送り、合わせて夫、私が計8箱ほど自分用に本を抜き取った。それ以外でまだ多少の価値はあるのでは、と思えた残りの本やDVDセットはネット古書業者に合わせて15箱を買い取りに出した。(それでも、本は「少ない」と思えたのは、自分の自宅の本棚と、自分の実家にある本棚が尋常ではない物量だからだ。)

 貴金属類はまるで査定の対象にならず、茶道具、花器、掛け軸その他、置物・飾りものの類は地元の古物商に一把ひとからげで、引き取ってもらった。二足三文だったことは判っているが、廃棄されるよりは、次の持ち手に引き継ぐ手間を取ってもらったと考えれば、良かったと思える。
 今買ったら四、五十万はするのでは、と思えた中国段通の絨毯は、染みがあちこちにあったので専門クリーニングの業者に出し、クリーニングはとりあえず1年、保管してもらうことにする。次の置き場所は、1年のうちに考えよう、という「先送り」戦法。
修理前
 何よりも私が手元に残したかった、義父が使っていたというロッキングチェアは、座面に割れが生じていたので、メーカーに修理に出した。(夫は、これこそ真っ先に廃棄だ、と思っていたとのことで、私が大枚はたいて修理に出すというので驚いていた。実際、新品と遜色ない修理代がかかったが、木製家具の古色は金では買えない。)

修理後
 着物も出張買い取りの業者さんを呼んだが、買い取りしてもらえたのはほんの一部で、自宅の近くの着物リサイクルショップに持ち込めそうなモノを一箱自宅に送り、黒無地(喪服)一式と、正絹と、おそらくは夫の父方祖父が着用したと思しき紬のアンサンブルなどの着物何枚かは手元に残すことにした。この会ったこともない義理の祖父の着物は、他の着物が綺麗だったのに比して、白カビがびっしりと生えていた。おそらく、日常着として着用し、愛着のあったものだと想像する。(持ち帰ってから、カビ抜きクリーニングに出した。)しかし、これらを収納するためには、自分の箪笥の着物や浴衣をいくらか処分しなければならない。それ以外の、商品にはならない沢山の着物は、置いてきた。
 家具類もほとんど、買い取り業者に引き取ってもらえなかったので、廃棄するしかない。

 あとは、手放すに忍びなかった、漆器、お重箱、お茶碗、小ぶりの花瓶、日常使いの染付けの和食器とガラス器を少々、義母手編みのレースの大作のテーブルクロス数枚、セーター数枚などを自宅に向けて発送し、仏壇はお経を上げてもらって「仏壇仕舞い」をしてから、仏壇専門業者に引き取ってもらい、仏壇にあったご本尊、お位牌、遺灰は、さすがに宅急便では送れないので、丁重に梱包して、手で持ち帰り、これは後ほど義母の住まいに届ける予定。

 頑張ってはみても、結構な惨状であることには間違いなく、自分の時には、こうならないようにしよう、と思う。
 厳選したし、自宅に戻ってからリサイクルに出すものもあるとはいえ、夫の実家から自宅に発出した荷物は段ボールで20箱近くになる。きちんと家の中に収納するためには、まずは自分の持ち物の断捨離が必要だ。
 とりあえず、和箪笥にスキマを作るため、あまり思い入れのない着物をいくらか処分し、食器、絵本、子供達の古い作品やランドセル、もう使うことはないだろう水槽なども、少しずつでも処分しよう。そうしよう。

 この間の、読書メーターの「つぶやき」一覧です。
https://bookmeter.com/mutters/253219378・・・ロッキングチェア
https://bookmeter.com/mutters/253508916・・・中国の歴史(書籍)
https://bookmeter.com/mutters/253540142・・・『大東亜戦争写真全輯』第一巻 朝日新聞社 昭和17年
https://bookmeter.com/mutters/253540217・・・『大東亜戦争海軍作戦記録』朝日新聞社 昭和18年
https://bookmeter.com/mutters/253586722・・・薄川土手から、山脈を望む
https://bookmeter.com/mutters/253665004・・・アルプス遠景。槍の穂先が見える。手前は常念岳?
https://bookmeter.com/mutters/253602379・・・ビルマの軍票

https://bookmeter.com/mutters/253722645・・・マサムラのシュークリーム
https://bookmeter.com/mutters/253754903・・・手打ちそば処まつした
https://bookmeter.com/mutters/253759246・・・八十六温館(やとろおんかん)
 
 

2023年5月1日月曜日

2023年4月の読書メーター

あれ? 
今気づいたんだけど、2月、3月と、ブログにまとめをアップしていないね。忘れるほど忙しかったか。ううむそうかもしれない。

4月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:2509
ナイス数:623

警視の慟哭 (講談社文庫)警視の慟哭 (講談社文庫)感想
『警視の謀略』から3年待って待望の続刊。前巻ラストが「待て!次回」状態だったので、待つのが辛かったわ。内容はさらに3作前の『警視の挑戦』の未解決部分から引っ張っているので、関係者が大量な上、すでに人間関係がおぼろげになっていたのでやむを得ず人物リストを作成。巻頭の登場人物紹介じゃあ、足りない(笑)。シリーズが進むごとに登場人物が増えて、群像劇になっているのと、ジェマとキンケイドがそれぞれの事件にあたるスタイルなので、かなり細かくシーンを割っているのが読んでいてちょっと忙しなかったかな。
読了日:04月26日 著者:デボラ・クロンビー

ボレロ <矢代俊一シリーズ19>ボレロ <矢代俊一シリーズ19>感想
『毒を喰らわば皿まで企画』その19。俊一と父の父子コンサートの一部始終。実は、ものすごく楽しみにしていたこの巻『ボレロ』。だがしかし、期待値を上げすぎて敗北。正直なところ、いや、この巻はさ、たぶん最初から最後までコンサートだろうから、俊一の二股グダグダもあまりないだろうし、人格崩壊した透の出番もあまりないだろうし、音楽シーンだけなら結構読めるのが薫さんだから、久しぶりにいいもん読めるのではないかと、ほのかに(いや大いに)期待していたわけだ。だがしかし。
読了日:04月20日 著者:栗本薫

ホテル・メッツァペウラへようこそ 3巻 (ハルタコミックス)ホテル・メッツァペウラへようこそ 3巻 (ハルタコミックス)感想
背中に刺青をしょった訳あり日本人青年が、フィンランドの田舎町のホテルに住み込み修行を始めて3巻目。彼を見守る周囲の人々が少しずつ増えてくる。『北北西』もそうだけど、雑誌『ハルタ』の定番っぽい話ではあるよな。でも、暖炉の火のようにほのぼのと暖かいのは悪くない。今回はクリスマス。冬のフィンランドの屋外で編み物って、ありなのか?指凍えないのか?と思ったのは私だけ?コックのクスタと師匠の若かりしころの話も織り交ぜ、さりげなくバディ物っぽいのも好き。
読了日:04月16日 著者:福田 星良

ザ・ゲームスターズ(1) (モーニング KC)ザ・ゲームスターズ(1) (モーニング KC)感想
老成した渋い男達を描いたら逸品のオノ・ナツメさん。人には言えない手段で手にした金を元手に財を築いて、NYの高級マンションに暮らすグラントと、そのマンションの守衛兼コンシェルジュのハワード。それぞれに人の心に関する特殊な能力がある。ハワードはなにやら裏社会にもつながりがありそう。深入りしたくない、といいつつ、住人のトラブルに巻き込まれに行く二人。面白くなるのはこれから。やっぱ人間、格好よく年をとらねばね〜。と自省する。
読了日:04月16日 著者:オノ・ナツメ

BADON(7) (ビッグガンガンコミックス)BADON(7) (ビッグガンガンコミックス)感想
ハートが格好よいよね〜、ステキだよね〜。冷静な外見に、決して仲間を見捨てない熱いハートが内側にいる。ヤッカラから密航してきたギャング団の下っ端ティーンエイジャーのダニオ、それに情が動いたジャコモ、ハートの判断を穏やかに受け入れるプリミエラの面々。そして名前を忘れちゃったハチクマのオーナーの彼女。みんなしっかりと自分の足で立って、自分の頭で考えて、当たり前のように人を助ける。そんな当たり前で当たり前じゃあない優しさが今回も素敵だ。ハートの過去がいよいよ気になる。
読了日:04月09日 著者:オノ・ナツメ

幼女戦記 (27) (角川コミックス・エース)幼女戦記 (27) (角川コミックス・エース)感想
『吟遊詩人』撃墜の余波が津波のように、帝国軍各方面を揺るがす。一方のデグさんは、ロシア・・・じゃなくて、ルーシー連邦首都モスコーで暴虐の限りを尽くす。今回は副官ヴィーシャとのけしからんばかりの友情が眼福・・・・ってか、少女二人なら美しいが中身がおっさん・・・・なのは、もう忘れるとするか。
読了日:04月09日 著者:東條 チカ



ドント・ストップ・ザ・ダンス (講談社文庫)ドント・ストップ・ザ・ダンス (講談社文庫)感想
恐ろしく多忙でストレスフルだった2月からこっち、なんとか1ヶ月以上をかけて園長探偵ハナちゃんの最終話を読み切る。1日数ページという恐るべきスピードで。これで練ちゃんに繋がるシリーズは読み切ってしまった。あとはもはやネットでも読むことの叶わない『海は灰色』の刊行を願うばかりです。今年は柴田よしき氏の刊行ラッシュらしい。そのうちの一冊であることを切実に願っています。さて、感想だけど、ハナちゃんの優しさとタフネスに本当に癒される。事件はもっと殺伐とするかと思いきや、
読了日:04月07日 著者:柴田 よしき

読書メーター

2023年4月26日水曜日

0421 警視の慟哭 (講談社文庫)

書 名 「警視の慟哭」
原 題 「GARDEN OF LAMENTATION」2017年
著 者 デボラ・クロンビー    
翻訳者 西田 佳子    
出 版 講談社  2023年3月
文 庫 608ページ
初 読 2023年4月25日
ISBN-10 4065278694
ISBN-13 978-4065278697

 前巻『警視の謀略』(2020年7月)からの続刊です。前巻の「待て!次回」状態でお預け食ってから、実に3年ぶりの刊行です。ストーリー的には、その前々巻?くらい(警視の挑戦」から引っ張っているので、関係者が多い上に、記憶がおぼろげで困った。
 シリーズが進むごとに登場人物が増えて、群像劇になってきているのと、ジェマがキンケイドの部下ではなく、自分自身も自分の抱える事件の捜査に当たっている上に、過去の事件も織り交ぜるスタイルなので、ちょっと細かくシーンを割りすぎで、読んでいて忙しない。バラバラに描かれた動線が一気に収束していくのは快感なんだけど。あと、ついに最後までジェマの事件とはクロスしなかったね。

 そんな訳で、今回は、確認の意味も込めて登場人物紹介から初めてみよう。


ダンカン・キンケイド(警視) スコットランドヤードの警視。現在ホルボン署刑事課
ジェマ・ジェイムズ(警部) キンケイドの妻で元部下。現在はブリクストン・ヒル署の警部
デニス・チャイルズ(警視正) ダンカンの元上司。ここしばらく連絡が取れていなかった
トマス・フェイス(警視正) ダンカンの現上司。ホルボン署所属。チャイルズの親友
マーク・ラム(警視正) ノッティングヒル署時代のジェマの元上司
ケリー・ボードマン(警部) マーク・ラムの部下
メロディ・タルボット(巡査部長) ジェマの部下。アイヴァン・タルボット(新聞社主)の一人娘
ダグ・カリン  ダンカンの元部下。足首の骨折がなかなか治らない
ジャスミン・シダナ(警部補)  ホルボン署のダンカンの部下。インド系
ジョージ・スウィーニー  ホルボン署刑事課。ダンカンの部下。勤務態度に問題あり
ニック・キャレリー  テロ対策司令部(SO15)の警部。
アイヴァン・タルボット  〈クロニクル〉を発行している新聞社の社長。チャイルズを知っている?
イブリン・トレント  スコットランドヤードの副警視監
リチャード・ネヴィル 同 副警視監(名前だけ登場)
クライム       同 副警視監(  〃  )
ラシード・カリーム  ダンカンが信頼する、ロイヤルドルトン病院に所属の監察医・法医学者
ケイト・リン  チェルシー・アンド・ウエストミンスター病院所属の監察医・法医学者。ジェマの友人
ダイアン・チャイルズ  デニス・チャイルズの妻
ライアン・マーシュ  前巻で殺害された秘密捜査官(警察官)
レッド  公安の秘密捜査官のハンドラー
アンガス・クレイグ  自宅に放火して拳銃自殺したと見做されている元副警視監。婦人警察官に対する暴行事件の犯人だった
エディ・クレイグ  アンガス・クレイグの妻。焼け落ちた自宅で発見されたが、射殺されていたことが判っている。
ロニー・パブコック  チェシャー州警察の警部。ダンカンの幼なじみで、ダンカンの妹の恋人
シーラ       レッド麾下の公安の秘密捜査官
リン          同
ミッキー        同
ディラン・ウエスト   同
ジム・エヴァンス    同
マーティン・クイン  『警視の陰謀』に登場する環境保護活動家グループのリーダー
リーガン・キーティング  ジェシーの住み込みベビーシッター。モデル。事件の被害者
グウェン・キーティング  リーガンの母
ジーン・アーミテッジ婦人  コーンウォール・ガーデンズ(プライベートガーデン)の管理委員会代表
クライヴ・グレン  コーンウォール・ガーデンズの庭師
ジェシー・キュージック  コーンウォール・ガーデンズに住む10歳の少年。バレエの才能がある
ニータ・キュージック  ジェシーの母親
ベン・スー  コーンウォールガーデンズの住人。息子を庭での事故で亡くした。
ヒューゴー・ゴールド  リーガンの彼氏。モデル
エドワード・ミラー  ニータの広告代理店の顧客。ジン蒸留所の経営者・リーガンの新しい彼氏
メディ・エイシャス  ライアン・マーシュが住んでいたビルの1階の飲食店店主
マッケンジー・ウィリアムズ  ダンカンとジェマの友人。ノッティングヒル在住
ビル・ウィリアムズ  マッケンジーの夫。通販会社経営
アンディ・モナハン  ブレイク中のロック歌手。メロディの恋人
ヘイゼル・キャベンディッシュ  ジェマの元大家で友人。メロディの友人
キット(クリストファー)  ダンカンの連れ子。
トビー  ジェマの連れ子。最近バレエを始めて、打ち込んでいる
シャーロット  ダンカンとジェマの養子。事件で両親を失った

 ところで今回の目玉(?)はコレ。
 キンケイドとデニスが密会したパブ。ホルボン署から程近い《ザ・デューク》。この本の楽しみの一つとして、登場するパブ、建物、通り、すべて現在すること。その気になればGoogleマップでキンケイド達の足取りを追いかけられる。そして、読んでいると、ウイスキーやらビールやら、フィッシュアンドチップスが食べたくなるのが常なんだが、今回は、ダンカンも仲間達も緊張とストレスのあまり食欲が落ちていて、読んでいるこちらもあまり食べ物に心が動かない。
 今作は前々々作の『警視の挑戦』で起こった事件まで遡り、キンケイドとチャイルズの不仲の理由や、デニスの危機、そして警察の暗部が絡み、終始、キンケイドの緊張感が強い。家族を守ること、自分や部下を守ることと正義を追求することは並び立つのか。キンケイドの葛藤と、不安と、怒りがひしひしと伝わってくる。キンケイドが追いかけるライアン・マーシュ関連の事件と、ジェマが追いかけるプライベート・ガーデン内での殺人事件、それぞれに大筋での予想は立ったが、デニス関連でのラストは、ちょっと想像していなかった。そう絡むのか!お前が黒幕か! せっかくキンケイドが追いかけてきたのに、肝心なところをデニスが語っちゃうのはちょっと肩透かしを食らった感じもあったけど、あくまでも脇役っぽいダンカンの立ち位置はそれなりに良かった。
 総じて、3年待った甲斐あり、の一冊でした。

2023年4月21日金曜日

0420 ボレロ <矢代俊一シリーズ19>




読書メーター https://bookmeter.com/reviews/113274539   

Amazonより・・・みずからもジャズ・ピアニストとして活動していた栗本薫が、音楽への強い思いを込め圧倒的な描写力を駆使して描き出す万里小路俊隆・矢代俊一父子デュオリサイタル。大成功のうちに終わったリサイタルの後のパーティでは矢代俊一グループによる演奏も行われ、評論家の絶賛を浴びつつ終了した。しかし、その翌日、情報屋の野々村からの電話があった。勝又英二も金井恭平も事務所の社長北原も同席しないという条件で話があるというのだ。しかも、会って話すというばかりで内容については一切口にしようとはしないが……矢代俊一シリーズ第19巻。

 amazonのリード「しかし、その翌日」以降は最後のほんの数ページ。メインはもちろん父子コンサート。・・・・なんだが。

 この巻まるまる、俊一と父の父子コンサートの一部始終。実は、ものすごく楽しみにしていた矢代俊一シリーズ本編19冊目『ボレロ』。だがしかし、期待値を上げすぎて敗北。
 正直なところ・・・・・いや、この巻はさ、たぶん最初から最後までコンサートだろうから、俊一の二股グダグダもあまりないだろうし、人格崩壊した透の出番もあまりないだろうし、音楽シーンだけなら結構読めるのが薫さんだから、久しぶりにいいもん読めるのではないかと、ほのかに(いや大いに)期待していたわけだ。だがしかし、だよ。

 冒頭の当日朝の自宅シーンでの俊一のセリフは、これ誰?ってレベルでイメージ崩壊しているし、(誰、っていうか薫サンご本人にしか思えない。読んでいて「中島梓」の声と絵で脳内再生される。)音楽シーン(演奏)は、すでに何回も読んだことあるような表現の羅列、大トリの『ボレロ』にいたっては、前回の自宅でのボレロ演奏を上回る近親相姦モードで、「やらしい」ってより、ただひたすら気持ち悪い。

 気持ち悪いよ、薫サン。セリフ回しや地の文も、一回でも読み返して推敲する習慣がこの人にあったなら、と、もはや言わずもがなの駄文。書かれたのは2007年初旬。ろくに後ろも振り返らずに書き飛ばしてたんだろうな。この人(薫サン)の晩節に奇跡は起こらかった。そういうことだ。
 なお、コンサート後の打ち上げの矢代俊一グループの余興ジャズ3曲につきましては、良い出来でした。

2023年4月10日月曜日

0419 ドント・ストップ・ザ・ダンス (講談社文庫)

書 名 「ドント・ストップ・ザ・ダンス」 
著 者 柴田 よしき         
出 版 講談社 2016年8月(単行本初版 2009年7月)
文 庫 560ページ
初 読 2023年3月10日
ISBN-10 4062934647
ISBN-13 978-4062934640
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/113021593
 園長探偵ハナちゃんシリーズ、最終作になる5作目。読んでしまうのが名残惜しい。だからって、読了に一ヶ月以上掛かったのは、読み惜しんだからではなく、仕事の超繁忙期と家庭の事情と、体力の都合ゆえ。疲労困憊で、週末毎に実家に通う往復の電車でも、イスに座ったとたんに泥のように寝落ちしてしまう日々で、毎日読めたのは数ページだったから。読み終わったときには冒頭のエピソードは忘れかけている始末だった。
 とは、もっぱらこちらの事情で。

 我らがハナちゃんは借金返済と愛する園の子供達のため、今日もがむしゃらに走るのだ。

 前作は短編連作だったが、こちらはがっつり長編。ハナちゃんの保育園に通う小生意気な5歳児の父は、今現在は売れていない小説家。妻には逃げられ、小説は書けず・売れずで、バイトのダブルワーク、トリプルワークでなんとか日々の糧と息子の保育料を稼いでいる状態。それなのに、何者かに襲われて意識不明の重体となってしまって。他には身よりのない子供を園で世話しつつ、逃げた母親を探し、一方で美味い稼ぎになるはずだった城島からの探偵仕事は、どんどんきな臭くなっていく。ヒットマンの影がちらつくころには、進むも引くもならない窮状に陥るハナちゃん。そして早朝の新宿駅のホームで背中をどつかれて、列車が進行してくるなか、ハナちゃんが宙に舞う!?
・・・・と、なんともテンポもよろしく、これでもか、と窮地の波状攻撃なのは通常運転といえなくもない。聖黒界隈で一番、不遇な男であるハナちゃんは今日も命からがらだ。
 
 それにしても、柴田よしきさんのこの聖黒関連のシリーズは、なぜか私の土地勘のあるエリアが舞台になっていることが多い。この作では東急田園都市線の青葉台駅が登場。最近は月にに数回は行っている。なぜならば、実家詣でのコースだから。駅前のショッピングセンターは東急スクエア。2フロアを占める大型書店はブックファースト。2階の雑貨ショップ併設のカフェは無印良品だ。

 凶悪犯罪と、園児のパパへの暴行事件&家庭内争議、という大型二本立てで進行するのかとおもいきや、事件はさくっと一本にまとまり、大人達が子供時代を過ごした児童養護施設で起こったある事件に行き当たる。前の作品のレビューで児童福祉の知識が寸足らず、などと批判的なことを書いたが、作者の柴田よしきさんが、このテーマに大切に取り組んでいる感じがして、大変失礼だった、とちょっと反省している。

 この作品で、聖黒の練ちゃん登場作品は読み切ったことになる。あとは、もやはネットでも読むことができない『海は灰色』の刊行を待つばかり。今年は柴田よしき氏の作品刊行ラッシュらしいので、そのうちの一冊が『海は灰色』でありますように、と切に願っている。