昨年末からファンタジー祭りに突入し、乾石智子を呼んでいる途中で、原点を確認したくなり、ゲド戦記を読み始めた。初期の三部作と『帰還』は発行後すぐに読んでいたが、その後の2冊は未読。それに、『西の果ての年代記』は一冊目の『ギフト』しか読んでいない。けっこうワクワクと読み始めたのだが。
なにしろ、ゲド戦記の周辺が五月蠅すぎる。
つい、論文やら評論やらも読んでしまって、いっそう心乱れる。これ、もう、ル=グウィンのエッセイやら自伝やらまで読まないと収まらない流れだよな。それと、フェミニズム論についても、簡単に押さえて置く必要がありそう。やれやれである。
読んだ本の数:15
読んだページ数:3324
ナイス数:759

ゲド戦記5と6が入れ替わる前の、清水真砂子さんの講演録を編集したもの。清水さんが誠実で堅実な翻訳家であり、研究者であり、また教育者であることが伝わってくる。真のことばたり得ない私達の言葉は、それぞれの生活と体験に依拠するがゆえに、同じ言葉が同じ意味を持つとは限らない。その上で、言葉の一つ一つの意味を吟味し、著者の言わんとすることを損なわないように細心の注意を払って翻訳する姿勢に尊敬を覚える。その一方で、「私達は誤読する権利がありますから、読みたいように読んでいる」という一節が痛快。自身の創作を説明するという陥穽にル=グウィンでさえはまってしまったことについての、清水さん気づきは深いというかさすがというか。読んで自分も大いに反省させられる。そのル=グウィンの講演録は、ついに5月末刊行の『火明かり』に収録されるとのことなので、それも楽しみではある。 「あなたの作品は、あなたがここに書いているより、はるかにはるかに豊かだと思う」と書き送られたル=グウィンが、どのように応えたのか、ちょっと興味を覚える。
読了日:03月23日 著者:清水 真砂子

最初の三部作の18年後に『帰還』その10年後に本作。三部作で十分に描かれなかった死後の世界についての再構築を試みている。前作から時間をおいてこの本だけ読めば納得感を得られたかもしれないが、1冊目から通読するといろいろと無理だった。なによりも、解説的な記述が多い。セセラクとレバンネンが少しづつ距離を縮めたりするところはなかなか良いし、ハンノキも素敵な人物なのだけど。なによりテハヌーの旅立ちには涙するのではあるけど。石垣を壊す描写は、ベルリンの壁崩壊を思い出させられた。物語全体が、現代史の引き写しともとれる。
読了日:03月17日 著者:アーシュラ・K. ル=グウィン

Kindle版とAudibleで読了済み。やっと文庫本化したので入手しました。感想はこっちに書いてあります。https://bookmeter.com/reviews/119214165
読了日:03月15日 著者:今野 敏

壮大で抽象的だった前作までと違って、ついに地に足が付いた感じ。やっと物語が落ち着くべきところに落ち着いた。ゲドが特別な力を失った無力な男として、喪失に向き合い、再生すること。テナーが、一度は望んで受け入れた「女」という理不尽で不自由な在り方に向き合い、ゴハという社会的な女から、テナーという個人に再生すること。暴力と性的な虐待を受け、肉体的に大きく損なわれた少女が、本来の内なる全き姿を取り戻すこと。三者それぞれの喪失と再生の物語だった。全体の生と死という極めて抽象的な物語から、個人の物語への回帰でもあった。
読了日:03月09日 著者:アーシュラ・K. ル=グウィン

3巻目。壮年に至りロークの大賢人となっているゲドのもとに、エンラッドの若き王子アレンが凶報をもたらす。世界の各地で魔法が失われている。ゲドは原因を探り、世界に均衡を取り戻すためにアレンを供に船出する。ジブリアニメ・宮崎吾郎監督の『ゲド戦記』の原作としてこの本を知った人も多いのでは。私も盛大に期待を膨らませて公開を待ち、なにか変なものでも喰った気分で映画館を後にした一人ではある。しかし、こうしてあらためてこの本を読んでみると、それなりに原作に忠実にやろうとはしていたのかな、とは思った。
読了日:03月04日 著者:アーシュラ・K. ル=グウィン

前作で、アレキサンダーとカップルになると思い込んでいたジェーンですが、彼女は自立したい女だったようで。平和で退屈な田舎と、退屈な?アレキサンダーの元を去って、都会に飛び出します。悪い男に騙され、危険な目にもあい、訪れたのは、彼女を都会から逃がした生みの母。都会の生活が性に合っていたジェーンは、母と同居しながら、田舎の兄姉や彼氏とも程良い距離を保って自由な女として生きて行くことを選択したよう。なんと空飛び猫は、女性の自立の話だった。それにしても、黒い翼の生えた黒猫なんて、悪魔狩りに遭わなくて良かったと・・・
読了日:03月02日 著者:アーシュラ・K. ル=グウィン

アレキサンダーは、羽は生えてない普通の猫。お母さんは明るい茶色の長毛種(ペルシャのハーフ)で、アレキサンダーもふさふさのしっぽを受け継いでいる。お父さんはいつも寝ている(笑)。エネルギー過多でつい家族の家を飛び出してしまったアレキサンダーの大冒険。道路でトラックに挽かれかけ、犬に追いかけられて逃げ、木の梢に登って降りられなくなり!定番コースです。そこに助けにきてくれたのが黒猫ジェーン。子猫のときのトラウマで失語症状態だったジェーンの回復を助け、いずれはラブラブなカップルになる未来を感じさせる。
読了日:03月02日 著者:アーシュラ・K. ル=グウィン

書影がイマイチだな。Amazonか読メのどちらかに書影登録機能が欲しい。さて、空飛び猫続刊。田舎の農場で暮らしはじめた4匹の空飛び猫の兄妹たちですが、だんだんお母さん猫のことが気になり始めて。ジェームズとハリエットの2匹が生まれ故郷の都会の「ゴミ捨て場」にジェーン・タビーお母さんを探しに戻ったところ、なんと黒い空飛び猫(しかも子猫!)を発見。もちろん、彼らの弟(もしくは妹)でした。お母さんとも無事再会、妹もつれて、田舎の農場に戻ったのでした。羽を痛めたジェームズが大旅行が出来るまでに回復して良かった。
読了日:03月02日 著者:アーシュラ・K. ル・グウィン

やっと紙本を入手したので、再読しました。誉さんが素敵ですねえ。もうすぐ、5巻が発売です。
読了日:03月20日 著者:コマkoma

紙本を入手したので、再読しました。やっぱりいいのう。
読了日:03月20日 著者:コマkoma
読書メーター

2024年に分冊版で読了済みながら、電子本(単行本)が出たので書き下ろしSS目当てでDLしました。かなーり嗜虐的な要素のある濃厚エロな作品ですが、イルハリムの清純さと一途さは何にも勝ります。また、皇帝陛下が男らしいったら。八方丸く収まったラストが本当に幸福です。それにしてもオマケのSSはっっ! もう、陛下のおのろけで胸がいっぱい。はじめから最後までノロケ。あーあ、幸せでようござんしたねっっ(笑) 二人の幸せのお裾分けを戴きました。ごちそうさまです。
読了日:03月04日 著者:ごいち

ある手芸中毒者の告白: ひそかな愉しみと不安 縫い欲にまみれたその日常の感想
私も告白するけど、本を買いたい中毒でした。中身も確認しないで衝動買いしちゃった。いろいろと共感出来る部分はある。だけど、決定的に趣味が違った(笑)。わたしもいつかジャンパースカート作ろうと思って解いてあるウールの着物地とか、いつか編もうとおもっている毛糸とか、刺しかけの刺繍のテーブルクロスとか、パターンだけ溜まってるパッチワークとか・・・・。あああ。。。
読了日:03月16日 著者:グレゴリ青山
私も告白するけど、本を買いたい中毒でした。中身も確認しないで衝動買いしちゃった。いろいろと共感出来る部分はある。だけど、決定的に趣味が違った(笑)。わたしもいつかジャンパースカート作ろうと思って解いてあるウールの着物地とか、いつか編もうとおもっている毛糸とか、刺しかけの刺繍のテーブルクロスとか、パターンだけ溜まってるパッチワークとか・・・・。あああ。。。
読了日:03月16日 著者:グレゴリ青山

温かで優しい筆致で、女性の一人暮らしのワンルームと、その空間でほっこりする時間。家が好きな人、というよりは「こういう家が好きな人」。とても温かだけど、絵にするとどこか非現実的で。だけどこういう本に癒やされるひとも沢山いるだろうなあ。うん。優しい色と線と丸い角で描かれた家の中を、現実のリアルな物に置き換えてみたときに、ここが素敵、と思えるかどうかはワカランです。デリカシーのない感想でゴメンよ。
読了日:03月16日 著者:井田 千秋