著 者 バーネット
翻訳者 畔柳 和代
出 版 新潮社 2014年10月
初 読 おおむかし
ISBN-10 4102214038
ISBN-13 978-4102214039
子どものころ読んで、実はあまり感銘を受けた印象のなかったこの物語。いわずと知れた名作だけど、改めて読んだら印象が変わるかしら、と思って小公子とセットで入手した。で、読んでみたのだが。
持ち前の気品と想像力で苦境を乗り越える、という大変に美しいお話であるはずだが、想像力が行き過ぎていてほとんど妄想の域に達してるし、高貴というにはセーラの言動が鼻につくんだよなあ。あと、セーラ父の人物像も気になる。
昔も気になった気がするが今はもっと気になる。イギリス人で「大尉」で、ダイヤモンド鉱山に出資している相当の資産家。但し中産階級で、貴族ではないようだ。この人インドで何してるの? 軍務やってるのか? ああ、やはり私は素直に読めなかったよ。なぜだ〜!
著 者 バーネット
翻訳者 川端 康成
出 版 新潮社 2020年6月
初 読 おおむかし
ISBN-10 4102214054
ISBN-13 978-4102214053
しかし、川端康成の訳がいまいち性に合わないのか、こちらがだいぶ人間的にスレたのか、どうも今回は素直に話が入ってこない。折しも丁度読んでいた『カメレオンの影』でジャクソンがセドリックのことを
「私に言わせれば、あの少年は退屈な女を母親に持つ、ばかげた格好をした、ただのおべっか使いよ」
と一刀両断(笑)
前からうすうす思っていたけど小公子って、見た目が7割っていうか、もし彼が金髪の可愛らしいなりをしていなかったら成立しないよね。あれが赤毛の顔色の悪いソバカスガリガリ(赤毛のアン?)だったらどうなっていただろう、ビロードに白いレースカラーのお坊ちゃん服が似合っていなかったらどうなっていたんだろう、とつい考えてしまう。そして、領民に与え尽くして財産なくして没落貴族になる前に、ぜひセドリックには大学で経済学もしくは経営学を学んで欲しい、と切に願う。
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