2025年8月28日木曜日

日々雑感 ただの日記である。

本文とは全然関係ないけど、祇園きななのきなこかき氷は日本中で一番美味いと思う

 母の家に常駐して3週間経過した。

 いろいろとやってはいるが、それとはほぼ(たぶん)関係なく、疲れている。
 今疲れているのは、メンタルの方かな。

 母は日中はデイサービスを利用しているのだが、ちょっと前まではできていた「一人で家にいる」ということが、ほぼ難しくなった。ご飯も自分では食べることができなくなった。
そのため、デイサービスがある平日は、デイサービスから帰ってくる夕方から、翌日の朝まで、デイサービスがない土日は、まるまる、そばで見守る必要がある。幸い、母はとても寝付きがよく、一度寝ると、たいていは朝まで起きない。深夜の見守りが必要ないだけ、とても楽である。(たまに、夜中に起きてしまったときに、そーっと私の寝室を覗きにくるのはご愛敬の範囲内。)

 そんなわけで、母が安全に生活するためには、どうしてもフルタイムの仕事との両立が難しくなったので、母がグループホームに入居するまでの間、介護休暇を取らせてもらうことにした。

 しかし、母がデイサービスに行ってしまえば、その間は私一人になる。
 実際には、GHへ入居するための準備やら家事やら、なにかとすることはあるのだが、思えば私は、ずーっと独りでいる、ということが、あまり経験がない。

 私はずっと、集団の中で育って働いてきているためか、集団に過剰適応気味で、誰かが周囲にいると、ものすごく元気になる。
 明るくて、しっかりしていて、頼りになる・・・・・・みたいなキャラが巨大な猫の着ぐるみになってだな。ほぼ、自動的に、「私」という自我におっかぶさるんだよ。これは、自分ではコントロール不能で、職場に行けば、他人と会えばおのずとそうなる。

 自分の中には、内省的で暗くて、家の中に居たがる人格がいて、どちらかというとこっちが本質に近いような気がしている。しかし私は昼も夜も職場にいるような無茶な働き方をずっとしてきていて、これまでは猫の方が圧倒的に優勢だった。

 ところがだ、介護休暇で母の家に引きこもりがちになって、巨大猫の出番が減ると、暗くて、内省的で、引きこもりで、要領の悪い、弱い方の自我が浮上してきた。そして、この自分は、ほぼずーーーーーーっと、疲れている。これが、冒頭の「今、疲れている」の私なりの説明、というか理解である。

 心理学的に、一人の人間の人格は一つではなく、沢山の人格がいて、それが場面場面で優勢になりながらも、きちんと統合されている状態なんだ、とどこかで読んだか聞いたかしたことがある。その統合された状態がぶっ壊れると、統合失調症ということになって、これは、本人にとっても周囲にとっても、社会的にもヤバい。私の場合には、自分で考えるに、統合は失調していないけれど、仕事向け人格と、内向き人格のバランスはあまりよろしくない。そうなった理由は、自分なりにあれこれと思い当たるものはあるが、それはもう、仕方ないことなのでよい。
 なにが問題かっていうと、自分なりの折り合いの付け方だ。

 一言で言ってしまえば、「元気な自分」はあまり好きじゃない。「元気な自分」は、全人格的な存在ではない。だけど、消極的・内向的な部分は滅却しているので「元気な自分」でいるときのほうが、メンタル的にはむしろ楽だったりする。だけどその「楽」は、内向的な自分を楽にはしないんだよな〜。むしろ疲労させる。

 今は、内向的な自分が前面に出て来ていて、そして、疲労し、気分が落ち込んでいる。明らかに不眠症の症状も出ているし、頭の中に芯のような、粘土の塊のようなものが入っているように、頭が重い。思考が愚鈍で、このままだと、鬱になるかも、という危機感もそこはかとなく抱いている。

 さて、精神科か心療内科に行くべきか。お薬もらったら楽になるか。

 不眠症気味なのは、むしろ自律神経系の不調のような気がするので、ヨガとかマッサージとか、肉体側からアプローチする方が効くかもしれない。マインドフルネスや瞑想なんかも良さそうだ。

 以前に本格的に不眠症になったときには、コメディ漫画を大人買いして、2週間ゲラゲラと笑い続けて、ほぼ強制的に状態を改善させた。このことを、以前精神科の先生に話したところ「正しいですね」とお褒めの言葉を頂いた。
 これでも良いのだけど、全力で笑えるほどの作品が今のところ、見当たらない。ちなみに前回読んだのは、「のだめカンタービレ」。クラシックをガンガン聴きながら、とにかく全力でゲラゲラ笑う、という我ながら最強のメンタル調整法で、不眠状態は改善したが、また不眠に陥るのでは、という不安状態はしばらく続き、夜眠れなくなるのでは、という不安から昼寝はできなくなった。

 まあ、そんなこんなで、この疲労している自分をどのようにしたらよいのか、いまだ困惑中である。

2025年8月24日日曜日

番外 ウォルドルフ人形の本

書 名 「ウォルドルフ人形の本」
著 者 カーリン ニューシュツ (著), 佐々木 奈々子 (翻訳)    
出 版 文化出版局 1986年10月
大型本 87ページ
初 読 2001年頃
ISBN-10 4579103378
ISBN-13 978-4579103379
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/129864514

 第一子を出産した産院のOG会で、「赤ちゃん会」というのがあり、出産日が近かった仲間が月1回の会合で仲良くなって、そのうちのお一人で手芸が得意な友人を講師役に、みんなで赤ちゃんのファーストフレンド・・・・最初に与えるお人形として、「ウォルドルフ人形」を作ったのが、かれこれ25年前だ。

 一体目の男の子の人形は、彼女の懇切丁寧な指導で作成したが、その後、お洋服を作成するために、この本を購入。第二子出産を機に、もう一体(女の子の人形)を作った。

 材料は、当時吉祥寺の東急の裏手にあった「おばあちゃんの玉手箱」という自然派育児ののおもちゃや素材や絵本を取り扱っていたお店で購入。よく覚えていないが、この本もそのお店で買ったかもしれない。
 当時、吉祥寺は、この「おばあちゃんの玉手箱」の他にも、「ニキティキ」などの木のおもちゃのお店などがあって、しょっちゅう通っていたな。あと荻窪には津川雅彦さんの「グランパパ」の店舗があって、こちらも大好きだった。

 さて、このウォルドルフ人形、男の子の方は、息子が人形のお手々をあむあむしゃぶったり、娘が生まれてからは、二体とも娘のおもちゃになっていたが、娘が幼少のころ、なにを思ったか、人形を散髪!・・・・いや、いいんだよ。このお人形は、そういうことしてもOKだ。だが、ちょっと髪の毛長めで優しい雰囲気だった男の子は、丸刈りになっちゃったのだった。(/_;)

 いつか、きちんと髪の毛をもう一度生やしてあげよう、と想い続けて十数年。思い立ってこのお人形用の手紡ぎのウール毛糸を買おう!とお店を探したが、「おばあちゃんの玉手箱」は閉店してなくなっており、しかし代わりに、以前は表参道にあった「クレヨンハウス」が吉祥寺に移転してきていたので、こちらで注文することができた。

 しかし、せっかく毛糸を入手したのにそこで力尽き。
 なかなか、お人形を洗って、痛んだお洋服も修繕して、お人形の虫食いも直して、髪の毛を植えて・・・・・という一連の作業に着手する気力と時間がなく、さらに五年以上は放置。

 ここに至って、いつやるの?今でしょ!! とやっと、やっと、お人形の手入れに着手した。

 昨日、自宅から母の家に、お人形と素材をまるっと持ち込み、今日は朝からお人形をエマール風呂に入れ! お洋服を洗い! しみ抜きし! 干して乾かして、修繕して!
 イマココ。
洗って、ベランダの室外機の上で日光浴(乾燥)今日の天気は良く乾くぞ

スナップを付け直し、伸びた袖口のゴムを取り替え、細かい綻びも縫い直し

 ウォルドルフ人形は、表は綿ジャージー、中綿は羊毛。髪の毛も手紡ぎウールなので、きちんと保管しないと虫に喰われる。この子達も、ムスメが構わなくなってからはずっと放置だったので、何カ所か虫に喰われてしまった。そこも修繕しないと。

 きちんと髪の毛を植え終わったら、また写真をアップするよ。

2025年8月20日水曜日

介護日記的な・・・その24 まさに日記的な。

 介護同居の状況となって、はや2週間。この間、なにをやっていたかというと、ひたすら環境整備と食事の世話。
 これまでの通い介護では、私がいるときは、基本母もいたので、あまり大胆な片付けは出来なかった。しかし、私がまるっと休暇を取っているので、母がデイサービスに行っている間は母宅に私独りになる。で、なにができるかというと、不要品と古いもの処分だ!

 とりあえず、これまではさわれなかった、古くなりすぎた調味料。カビの生えてるみりんとか。 (^_^;) 
 なんか味が変わってるような気がする10年以上前の開封済みの醤油とか、絶対酸化してるだろうと確信できる、使いかけのサラダオイルとか!賞味期限が、’21.〇.〇って表示になてる削り節とか!
 とりあえず、これから私が自分で食事の支度をするために、調味料を一新。
 合わせて、大量にあるタッパウェアも点検。・・・・・なんだか、プラスチックが劣化してベタベタしているし。かと思うと硬化して割れる(崩れる)やつもあるし。とりあえず、捨てる。
 かわりに、パイレックスの保存容器をいくつか購入。
 煮物を作ったり、作ったものを保存できるよう、最低限のものを更新した。

 毎日の食事はこんな感じ。

〈いつかの昼食〉
ご飯、豚の角煮(セブンプレミアム)・ほうれん草添え、厚焼き卵(ヨーカドーの惣菜)、ミ二餡餅、キュウリとミョウガの浅漬け
———ヨーカドーの惣菜のキュウリの漬物は良く食べるくせして、私が漬けたやつは、喰いが悪い。くそ。あとは、ぜんぶお惣菜かレトルトパウチ。

〈いつかの夕食〉
炊き込みご飯。キュウリとミョウガの浅漬け、えびとブロッコリーの塩炒め。
———あまりに食が細いので、せめていろいろな食材を食べてほしくて、ご飯を炊き込みにした。これはお茶碗に盛った分は食べてくれた。あとはそれぞれ、半分くらい残された。

〈昨日の朝食〉
炊き込みご飯。キュウリの浅漬け。厚焼き卵。ポテトサラダ。
———イトーヨーカドーの惣菜(厚焼き卵とポテトサラダ)は比較的良く食べる。なんとなく負けた感がある。
 そのほかにも、焼き鮭とか、それを薄味の出汁醤油に漬けたものとか作ってみたが、だいたい他人が作ったもの(スーパーの味でないもの)は、警戒してあまり食べない。

〈今日の夕食〉
肉じゃがを作った! いろいろと子供返りしているので、味覚も子供向けで良いのではないかと。ミョウガとかキライになってしまったみたいだしな。これは当たりで、とりあえず器に盛った分は食べてくれた。(ちなみに、右の写真は私の側の食事なので、母の方は、おかずの盛りはもっと少なめ)
 肉じゃがは、自宅で作る量の1/4だ。(笑)
 これくらいだと、時間も手間もすごく少なくて楽。
 だがしかし、今日食べない分を保存容器にいれて冷蔵庫にしまっておいたら、しばらくして母がそれを取り出し、「これ、お前が持ってきたの?」と不審顔。この人、人が作ったものは置いておいても自分では食べない。「古くなっていて気持ち悪い」という。
 この3年間、試行錯誤して、結局イトーヨーカドーの惣菜なら食べる、に落ち着いていたのだが、まあ、私が配膳する分には、大丈夫でしょう!(ただし捨てられないようにしないとね。)

 それにしても、あれこれ工夫して料理してみても、「不味い」とか平気で言うし、毎回、ヨーカドーの惣菜に負けるのは、いささか心折れるものがある。(まだ2週間だけど。)ちなみに、味付けは決して不味くないと思うんだよ。
 まあ、認知症相手に闘っても、ましてやヨーカドーの惣菜と闘っても詮無いので、結局食事はヨーカドー頼りに戻りつつある。

2025年8月17日日曜日

0563 好きだと言って、月まで行って (モノクローム・ロマンス文庫)

書 名 「好きだと言って、月まで行って」
原 題 「To the MOON and BACK」2023年
著 者 N.R.ウォーカー
翻訳者 冬斗 亜紀
出 版 新書館 2024年11月
文 庫 400ページ
初 読 2025年8月17日
ISBN-10 4403560598
ISBN-13 978-4403560590
読書メーター https://bookmeter.com/reviews/129720163


 N.R.ウォーカーは、オーストラリアのゲイロマンス作家さん。初読み。翻訳は安定の冬斗亜紀さん。とても読みやすい。
 主人公の一人、ギデオン(ゲイ/シングルパパ/失恋直後/ヒゲのいい男/高学歴・高収入)の背景とか、もう一人の主人公トビー(ゲイ/イタリア系オーストラリア移民の家系/高学歴のプロのナニー(超有能))の背景とか、オーストラリアのLGBTQの様子とか、育児に関わる社会制度とか、ストーリーの背後にぎっしり詰め込まれているものがあって、これを全部読み解けたらかなり深いな、と思うけど、単純に不器用男2人がモダモダ恋に落ちるロマンスとして、十分に楽しい。
 出だしこそ、ヒゲのタフガイが慣れない子育てでおたおたしている話かと思ったが、この「ヒゲのタフガイ」が思いのほか繊細で、むしろ女性的(っていうか、こういう性格描写の語彙がどうしても性的役割分担を色濃く反映しているのは、なんか良い形容詞がないものか)なのが、ミスマッチで面白い(というか、これをミスマッチと感じる感性がそもそも性差に対する意識が固定化しているよな)というか。
 読んでいると、さりげなく、固定化したジェンダー意識に揺さぶりをかけられているようで、なんか意識の柔軟体操しているみたいで良いよな、と思う。日本の社会でLGBTQが社会権を得たのって、BLもそれなりに大きな役割を果たしていると思うのよね。

 ストーリーは、突然シングルパパになってしまって困惑・疲労困憊している男のところに、超有能な男性ナニーがやってきて、あっというまに生活改善して、あっというまに恋に落ちる、というまあ、ありがちな感じなんだけど、その恋に落ちる過程や、2人の心理描写がとてもとても良い。早くに親を亡くして親の愛情に飢えていたギデオンが、トビーの大家族に心温められながらも、寂しく感じる描写なんかもすごく素敵だ。も〜〜〜あんたたち両思いなんだから、もっとシャッキリしなさい!と言いたくなるが、この、これまで自分が世の中的に慣れ親しんできた男性性とは、性質を異にしたナイーブな優しさ全開の2人に、なんだか未来への希望を感じちゃう。・・・・とちょっと壮大な感じの感想になってしまった。
 あと、雇用関係や雇用契約に対する意識がはっきりしているなあ、と思う。さすが、ジョブ型雇用の欧米社会。権利—義務関係を明確にさせようとする意識がここまで恋愛の足を引っ張るって、日本人的な感覚だとあまりないのでは。そういう意味でも、「もだもだしすぎだ!」とうっかり感じてしまうかもしれないが、きっと当人たちにとっては、そして彼等の文化規範の中では、独立した個人として、とても大切なことなのだ。

 以下は余談だが、先日、子育て仲間だった友人と呑みながら話をしていて、なぜかBLの話になり、友人は「BLは女の子の健全な成長に必要なのよ!」(ちょっと細部はうろ覚え)と力説していて、私もなるほどなあ、と思ったのよ。
 男女の恋愛物語を読んだり見たりしたら、女の子は女性側に移入せざるを得ない。“女性らしい”感じ方、“女性らしい”振る舞い、女性としての性的役割を、作品のを通じてすり込まれる。私はそれが苦手で、恋愛小説はあまり読まないのだけど、BLならば、キャラクターのどちらに移入しても可だし、それこそニュートラルに、若干は客観的に、恋愛を疑似体験できる。なにをどう感じるかを(精神的にも、肉体的にも!)強制されることはない。自己を確立する時期の思春期の女の子にとって、BLは成長のための梯子になり得るのかもしれない。

2025年8月16日土曜日

介護日記的な・・・その23 食欲がないはずなのに、まさかの満腹

 これまで週2回だったのが、毎日・毎食になって、何を母に食べさせるか悩ましい。

 母は、しばらく前から、咳が続いていたが、だんだん胸の奥に絡むような咳になってきたため、せっかく日中動くことができるのだし、と昨日内科に連れて行った。気管支炎とか誤嚥性肺炎なんかも心配していたのだが、診察の結果は「上気道炎」つまりのど風邪。それは良かったのだが、体調が落ちているせいか、食が進まず、今日も、朝食も昼食も残されてしまった。

 それに加えて今日は精神科(認知症外来)の受診もあったので、さすがに疲れたのか、午後にかなりしっかりめに昼寝。昼食も遅めだったし、そのあと昼寝ではお腹もすかないだろうと、夕食時間も遅め設定で買い物にでかけたら。
 なんと、私が買い物に出ている間に、冷蔵庫に置いてあったおまんじゅうを3個、食べられてしまった。

 本人は食べたそばから忘れるから、夕食の時には、「なんだかお腹が空いていないのよね・・・」と食欲がないことをアピール。そりゃそうだろう。小さいとはいえあんこの詰まったまんじゅうを3個食べれば血糖値も上がるし、食事は入らんだろうよ。

 夕食が遅くなってはいけない、という教訓を思い出したよ。そうそう。ちょっと買い物に出るのが遅くなると、その間に小腹が空いて、間食されてしまうのだった。以前もやられたのに、すっかり忘れていた。気を付けなければ。
 
食事の用意ったって、この程度よ

2025年8月14日木曜日

介護日記的な・・・その22  とりあえず、近況報告を。

 6月末頃から、母の認知症が進んできたかな、と思い始め、結局それは気のせいではなく、この三年間、超低空飛行とはいえなんとか維持してきた母の独居も、もはやこれまで、と観念した。(私が)
 
 とにかく、きちんとご飯が食べられないのはダメだ。

 母が独りでいるときに口にするのは、木村屋の蒸しケーキやミカンだけになってしまった。そういえばカットパインも食べたかも。・・・・って、全然食事の足しにはならない。

 体重が少し落ちた。

 言葉が拙くなり、聞く力も読む力もガクンと落ちた。確認行動が酷くなって、寝る前の戸締まりや電源の確認が延々終わらないので(確認したそばから忘れるから、エンドレスになってしまう。)入眠に影響がでてきた。
 極めつけは先日の「焦げ臭い」事案。結局原因不明なんだけど、電子レンジの中も焦げ臭かったので、きっとここで何かがお焦げになったんでしょう。ちなみに先日購入したばかりの、オーブン機能などない、単機能レンジ。あたためスタートしかできないやつ。いったい何をどうチンしたら、お焦げになるんだろう。謎だ。

 初めは、もう一回ホームヘルパーの導入にチャレンジして、朝夕の食事の世話をお任せすることができれば、何とかなるのでは、と思ったのだが、一週間一緒にいてみて、そうではないと気付いた。見守りは常に必要。見守るだけだとしてもだ。

 とうとう、母を一人にできない日がやってきたのだ。

 その日が来てしまえば、案外、決断はすんなりつくものだ。というか選択肢がないので、決断というよりは諦念に近い。しかし、この決断を、私は自分の家族にちゃんと相談したろうか、と思うと反省すべきところがあるなあ。

 職場には介護休暇の取得を相談し申請し、そして周囲に協力を仰ぎ(迷惑をかけ、ともいう)、長期の休暇に入ることとなった。期間は「母が施設に入るまで。」

 グループホームは一ヶ月前に申し込みしてある。しかし、まだ待機順は繰り上がっていない模様だ。あと2ヶ月、3ヶ月で入所できるだろうか。
 
 母はデイサービスには通っているので、母がデイに行っている間は、時間があるといえばある。テレワークとの組み合わせも検討できる。しかし、フルタイム稼働は無理。
 デイに送り出すのが9時半。戻ってくるのが17時。その間に、家事や買い物を済ませる必要もある。自分の自宅は別にあるので、そちらにいる家族も完全放置はできない。実家から職場までは2時間弱かかるので、どう工夫しても通勤は無理。それは早々にあきらめた。なにしろ、やったとしても私の体力が続かないのは明らか。夜間に起こされることもあるので、昼寝も必要になりそう。(だが、してみたら夢見が悪くて閉口した。)

 そんなわけで介護休暇に入った訳だが、盲点が一つあった。母がデイサービスに出かけた後の家の中の静けさがもはや暴力的だった。一日目で早々に私のメンタルが参った。

 なにしろあまりにも静かだったのだ。近隣も静かで、集合住宅なのに近所の人の気配が皆無。なんだか世界中に自分しかいないような気がしてきて、「自分はいったい何をしているんだろう?」となんだか存在の根源が揺らぐような気分になって、ずんずん落ち込んだ。これでは早々に鬱になる。

 かなりの危機感を感じたのだが、そんな私の孤独を慰めてくれるアイテムを思い出したので、急遽入手に走った。
 右の写真のデスクオーナーメントは国際ディスプレイ工業の「amaoto」という製品。光発電で台座に仕込まれた電磁石で重りがゆらゆら、そのゆらゆらに台座の中のハンマーが反応して、これも台座の中に仕込まれたベルを叩く。こん、カラン、ろん、ててん、リン、ろらん。
 実はこの製品、新宿のブックファーストの文具売り場に展示されているのを、8年位前から知っていた。ずーーーと、この店舗に行くたびに、心落ちつく音色に耳を傾けていた。
 ただ、絶対に猫との同居は無理だと思ってたんだよね。入手することはないと思っていた。しかし、母宅に猫はいない! まあ、母がちょっかい出す可能性は大いにあるが・・・・

 かなり値も張るし、結構な買い物だったのだが、しかし、効果は絶大。今も、この「雨音」に慰められながら、この文章を書いている。
 ・・・・ついでにいえば、母はいま、夕食の後の台所の片付け中で、ずーっとエンドレスに独り言を言っている。これは、、、なんだっけ? ああやだ、これは・・・こうですよ。そしてぇ、これは。えい。やあ。よいしょ。よいしょ。ええと、これはどこだっけ。どこですか?  そしたら、そしたら〜、ええと、これか。そしたらこれですか。やんなっちゃうなあ、もう。・・・・・ごしごし、がさごそ、がちゃがちゃ・・・・

 母は、食事の支度はできないけど、食器洗いは辛うじてできる。片付け魔なので、台所の始末もする。(食器は洗い直しが必要な場合が多い。)実況中継的に、ひたすら独り言を言いながら。とにかく、一見とてもキレイに片付けるが、片付け方はめちゃくちゃなので、母が寝てから、全部戸棚を開いて、場所を直すのだけど。でも出来ることはできるだけやらせたいので、母にやってもらっている。
 これすら、最近は食後にやらない時も増えてきた。母が自力で動いているうちが花だよなあ・・・と、寝たきり介護や、下の世話なども想像して、ちょっと遠い目になる。

 あと、おなじ団地内で、同じく実母さんの介護をしている友人と宅飲みした。介護情報の交換は建前で、とにかく話して、飲んで、ストレス発散。これ大事よ?

 左の青いラベルのスパークリングワインは、友人が持ってきてくれたヤツ。花火のラベルが素敵なカヴァ。右は私が自宅から持参したなんと厚岸ウイスキー〈花ぐわし〉。夫が頂いたものを、有り難く頂戴した。
 まあ、介護を大変がっても鬱になるので、今できる楽しいことを探そう。そうしよう。

2025年8月13日水曜日

0562 コーンウォールに死す(ハーパーBOOKS)

書 名 「コーンウォールに死す」
原 題 「A DEATH IN CORNWALL」2024年
著 者 ダニエル・シルヴァ
翻訳者 山本 やよい
出 版 ハーパーコリンズ・ジャパン 2025年6月
文 庫 600ページ
初 読 2025年8月12日
ISBN-10 4596572216
ISBN-13 978-4596572219
読書メーター 
https://bookmeter.com/reviews/129618910 

 パレスチナの惨状で、この作品に対していささかの幻滅が伴っていないといったら嘘になる。
 ダニエル・シルヴァも、絶妙なタイミングでガブリエルを引退させたもんだ、と皮肉っぽくなったりもする。
 でも、ガブリエルが魅力的なことには変わりない。
 前作よりも大人しめで、スキャンダルも陰謀も、最近のこのシリーズからしたら、小ぶりではある。だが毎作、ワロージャと戦争するわけにもいくまいよ。それに(何回も書くが)ガブリエルはもはや70台半ばである。これも何回も書いてるが、ボッシュと同い年だからね。
 それにしては、ガブリエルは異様なくらいに頑健である。今回も殴り倒されてボコボコにされてるが、骨折の一つもせずに、ちゃんと生還。まあ、ジャンプヒーロー並みの生命力だよな。(笑)

 そんなこのシリーズも、今作で24作目。ガブリエルは73歳。双子達は8歳。
 娘のアイリーンは環境問題に敏感で、グレダちゃんみたいになりつつある。
 息子でガブリエルに激似のラファエルは、その才能を美術ではなく、数学方面に発揮しており、ガブリエルはラファエルに絵に興味を持ってもらいたいとの切望を隠しもしていない。
 今回は、前作でガブリエルが修復したゴッホが、イギリスのコートールド美術館でお披露目されるあたりからスタート。ガブリエルの携帯に、コーンウォールに住む旧知の人物からの連絡が入る。・・・・・改めて、振り出しに戻って考えれば、正直いって地元の(ローカルな)殺人事件にすぎないことで、ピール青年(元少年)がガブリエルに連絡を入れることが、一番あり得ないんじゃないか、と思わないでもない。この点が今作一番の無理筋。それ以降は、いつも通りのガブリエルである。

 殺されたのは、女性の美術史家。連続殺人の犠牲者に見せかけた殺人の背景に浮かび上がったのが、かつてユダヤ人が所有していたピカソ作の女性の肖像画。その来歴は、ナチス占領下のフランスで起こったユダヤ人の災禍で所有者から違法に詐取されたもの。この絵を発見した良心的な美術史家が惨殺されたことで、ガブリエルが調査に乗り出す。

 巨額絵画を隠れみのにした資金洗浄と絵画のブラックマーケットは、このシリーズで繰り返しテーマになっているもの。おなじみのガブリエルの模造絵画の作成風景も、今作はあっさり目ながら、読者の楽しみの一つ。話はどんどん流転して、結局英国の首相候補の野心とその妻の欲望に帰結し、犯罪行為に犯罪行為で対抗する手段ゆえに、あちこち結果オーライで、犯罪者は真っ当な法の裁きによることなく、社会的リンチの餌食になった。

 まあ、一時ほどの盛り上がりはないにせよ、ガブリエル・アロンのファンとしては、彼がとりあえず元気でいてくれれば、と思う。ガブリエルが不幸になる姿は絶対に見たくない。 もはや、彼の年齢的にも、シリーズ的にも、毎作がボーナストラックみたいなもんなので、今作もその点では十分に満足に値する。・・・・・ていうか、面白かったよ! ちょっと冗長かな、と思わないでもないけど、全部が全部、ガブリエルで満ちてるから、それだけで読む価値アリでした。
 ガブリエルがコーンウォールに三度目の拠点をもつことになったのも良し。地元住民から愛されているのも良し。
 以前のガンワロー岬のヴィラは、惨劇の舞台になっちゃってたからね。

 巻末の著者ノートは必読。ダニエル・シルヴァが作品を通じて言いたいことは、ここに凝縮している。世界の富の不均衡。貧しいものはより貧しく、富めるものは、いっそう富を集積。その金はどこにあって、何をしているのか。世界はどこに向かっているのか。
 世界の歪んで濁った姿がガブリエルを通じてプリズムを通った光のように分光し、人々の目により分かり安く提示されているように感じる。

2025年8月6日水曜日

介護日記的な・・・その21 こげくさい。

 本日から、実質的な介護同居スタート。
 まあ、いつかこの日が来るとおもっていたし、実際、穏やかな始まりといって差し支えない。もっと、劇的に大変になる可能性もあった。とはいえ。

 昨日夜(母が寝た後)に母宅にやって来た。
 玄関を入ったとたんに、異臭に気付く。・・・・焦げ臭い。

 ひとまず荷物を置いてから、お焦げの匂いのみなもとを探す。
 まあ、何かを焦がしたんだろうよ。
 そして、きっと、一生懸命原状復帰した。だから、お焦げは影も形もない。匂いとしては、プラスチックやビニール系のイヤな臭いではない。むしろ、紙とか木とか、炭水化物やタンパク質。つまり食べ物だと思われる。
 まあ、電子レンジだろうな。なにかを加熱しすぎて焦がしたか、まさか、ガスでお湯を沸かすときにガスコンロ周りのなにかを燃やしたか?

 だけど、影も形もない。

 ごみ箱の中も確認。ひょっとして燃えかすとか、黒焦げたなにかとか。

 だけど、それらしきものはなく、匂いもしない。

 辛うじて、電子レンジの中は焦げ臭いような。だけど、内部のスス汚れとか、焼損といったものは見当たらず。

 結局は謎なんだけど、依然として、室内のそこはかとないお焦げ臭が、きっとなにかあったはずなのを告げている。

 ・・・・・まあ、つまりは、同居見守りに踏み切ったのは、決して早すぎではなかったということだ。精神科の先生には、そのうち電子レンジで発泡スチロール燃やすようになるから、独居は限界あるよ、とは言われていた。
 正直、発泡スチロールを発火させなかっただけで有り難い。(もっとも、うちの母は、食品トレーのまま食べ物を温める、とか、カップ麺を食べる、という食習慣自体がないので、発泡スチロール製品をレンジに入れる、というシーンはあまりないかもしれない。)

 なにしろ、集合住宅。他家に迷惑がかかる可能性はあってはならない。ボヤなんてもってのほか。こうなると、たまに自分の自宅に掃除やら様子見に一泊程度で帰ろうと思っていたことのほうが、難しくなるかもしれない。それはそれで、困るんだよなあ・・・・と、初日から悩ましい。

2025年8月3日日曜日

2025年7月の読書メーター

 ル=グウィンの『幻影の都市』読了が8月に少し入っちゃったけど、7月読了本があまりにも寂しかったのでちょっとズルして7月31日で読了登録した。6月後半からず〜〜〜〜〜っと読んでいたので良いよね!ということに。 
 ここしばらくル=グウィンを読んできたがここにきて息切れ。
 SFが面白くない(T-T)のだよ。なぜだ! ル=グウィンほどの大御所で、それこそ大御所のファンが沢山いる作家だと、「面白くない」というのもなんだかヘンな勇気が要る。
 うまく言えないのだが、ル=グウィンの作品て、アンドリュー・ワイエスの作品に似ていると思う。私はキリスト教的な厳格さとかは門外漢でよく判らないのだけど、文化的な桎梏というか、苦しさを感じてしまう。たぶん、ル=グウィンが抱えていたジェンダーとも繋がるものなのだと思う。
 と、同時に、最近は読みやすく、感情移入しやすい分かり安い本を好んで読んでいるな、とも思う。自分を甘やかしているせいか、ちょっとむずかしい本を読む努力が出来なくなってきているような。

 母の介護は、新たな局面に入った。
 自分でご飯を食べられないように(ADL的に食べられないのではなく、適切な食べ物を選んで食べることが出来なくなった。つまり、蒸しパンやお菓子やミカンしか食べなくなってしまった。)なったため、朝夕の食事の世話が必要に。それ以外は概ね自立しているので、そばに居てもあまりすることが無かったりするのだけど、なにかと見守りは必要。なにより、本人も不安だと思われる。そんなこんなで、しばらく介護休業を取ることに。これまで全力疾走してきた十数年(?)いやそれ以上。しばしのアイドリングで、自分の人生そのものも見直したいと思う今日この頃。・・・とはいえ、仕事を休んだ途端にガタッと落ちそうな気がしていてヤバい。

7月の読書メーター
読んだ本の数:8
読んだページ数:1148
ナイス数:390

幻影の都市 (ハヤカワ文庫SF)幻影の都市 (ハヤカワ文庫SF)感想
びっくりするほど楽しく読めなくて残念至極。ここまで読んだル・グウィンのSF、みな色調が似ているというか、人物が似てるというか、構成も物語の主要部分がグレートジャーニーというか。雄大な風景の描写は素晴らしいのだけど、それ、この話に必要?って感じちゃう。敵のシングが前半、中盤、後半で印象ががらりと変わるのとか、主人公が突然心理戦で優位に立つとか、面白い要素はたくさんあるのだけど、総体的にはつまらなかったな。ずっとル・グウィンを読み進めてきたけど、これ以上読める気がしないので、中断を自分に許すことにする。
読了日:07月31日 著者:アーシュラ K ル グィン

幻影の都市 (1981年) (サンリオSF文庫)幻影の都市 (1981年) (サンリオSF文庫)感想
感想はハヤカワ版の方に
読了日:07月31日 著者:アーシュラ・K.ル=グイン





はなれがたいけものはなれがたいけもの感想
読み友サンのレビューが流れてきて、ちょっと気になったのでAmazonで試し読みからのダウンロード。それなりに面白かった。「愛を知らない」主人公は、自分の行為を「愛」ゆえとは認知しない。これほどの愛情と献身を我が子に注ぎながら、自分は愛してなどいない、なぜなら愛を知らないから、と頑なで。現在全6冊出ているとのことだけど、とりあえず1巻で満足。ル=グウィンの『幻影の都市』が大ストッパーになっているので、他の本が読めると安心する。
読了日:07月27日 著者:八十庭 たづ

チェーザレ 破壊の創造者 特別編 二人の巨匠チェーザレ 破壊の創造者 特別編 二人の巨匠感想
ミケとダ・ヴィンチ。そして総領冬実の筆による、幻のアンギアーリの戦いの絵,そして成年になったチェーザレの肖像。ごく薄い本なのだが、胸がいっぱいになる。
読了日:07月26日 著者:惣領冬実







手ぬいで着物リメイク ゆったり心地よい服 (レディブティックシリーズno.8188)手ぬいで着物リメイク ゆったり心地よい服 (レディブティックシリーズno.8188)感想
Kindleアンリミで内容を確認し、作りたいのがあったので、紙本で入手。手縫い本だけど、実際作るとなったらミシンだな。だけど、そもそも着物って手縫いなのよね。和裁ができる人ならあっという間に縫えるんだろうなあ。(私はそもそも真っ直ぐな縫い目にならない(^^ゞ  この本は、いくつか気に入ったワンピースとジャンパースカートのデザインがあったので、ぜひ、時間ができたら制作したいと思っている。いつ・・・・・になるかは、想定不能。(遠い目)
読了日:07月08日 著者:高橋 恵美子

着物のリメイクを愉しむ 製図集 (レディブティックシリーズno.8543)着物のリメイクを愉しむ 製図集 (レディブティックシリーズno.8543)感想
Kindleアンリミ。製図がたくさん掲載されているのが嬉しい。だが、気に入ったデザインは僅少(これは、どのリメイク本も同じなんだけど)。Kindleだと製図は難しいので、いざ本当に作りたくなったら、紙本を求めようと思う。
読了日:07月08日 


軍人婿さんと大根嫁さん 6 (芳文社コミックス/FUZコミックス)軍人婿さんと大根嫁さん 6 (芳文社コミックス/FUZコミックス)感想
7月一冊目。本日発売。花ちゃんがすこし、人妻なお顔になった。カヨコさんの三角ご夫妻の馴れ初め。カヨコさんは、はっちゃけてるだけのオンナじゃなかった!あのカヨコさんの心を手中にした三角中尉はやはりスゴイと思ったのだった。
読了日:07月02日 著者:コマkoma

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