原 題 「The Monuments Men Murders: The Art of Murder 4」2019年
著 者 ジョシュ・ラニヨン
翻 訳 者 冬斗 亜紀
イラスト 門野 葉一
出 版 新書館 (モノクローム・ロマンス文庫) 2020年12月
文 庫 286ページ
初 読 2022年2月5日
ISBN-10 44035604748
ISBN-13 978-4403560477
戦時中「モニュメンツメン」の副長として、ナチスが略奪したヨーロッパの美術品の捜索と保護にあたった祖父の名誉に関わる事件にジェイソンが挑む、という硬派なお話です。そこに泥くさーいアメリカの田舎の人間関係と、頑固一徹でプライド超高!な二人の恋人の行き違いのお話(笑)。
ナチスがヨーロッパで略奪したフェルメールの名画の行方を追うジェイソンがド田舎モンタナ州に。今作は美術犯罪班の捜査官であるジェイソンのお仕事が中心の流れ。だがしかし、その美術品を終戦後すぐにドイツから米国に私的に持ち出し隠匿した犯罪に、ジェイソンの崇拝するグランパが関わっている可能性が。
サムは別件で同じモンタナの支局で活動中だが、そこに、サムのかつてのセフレ(?)が登場し、前作から危険なストーカーにも悩まされているジェイソンは、不安からくる不眠にも悩まされ、どうにもストレス高めな状況となっている。
それなのに、なんとしても真実を明かしたいジェイソンと、身内が関わる犯罪捜査に関与する、というジェイソンの倫理綱領違反を問うサムが激しく対立する。
原理原則については超硬派なサムと、自分の行動の理由や考え方を理解してもらいたいジェイソン、大いにすれ違ったまま関係破綻の危機となる。
二人の関係については、どっちもどっち・・・・というよりは、やっぱジェイソンが悪いんじゃないか、と思わんでもないが、ひとまずお互いに赦しあうってところまでこぎ着け、なんとか次作へ持ち越し。それに、前作ラストで背筋を寒くさせられた一件は、今作では微動だにしなかった。こちらも次作に持ち越し。
この二人、今後もどうせぐだぐだするんだろうが、まあよい。初対面からゲイだって判ってた、って言い放つ相棒J・Jが良い感じに育ってきて、今後も良い感じに活躍してくれそうで期待が持てる。
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