原 題 「Fair Game」2019年
著 者 ジョシュ・ラニヨン
翻 訳 者 冬斗 亜紀
出 版 新書館 (モノクローム・ロマンス文庫) 2013年2月
文 庫 448ページ
初 読 2022年2月8日
ISBN-10 4403560113
ISBN-13 978-4403560118
いままで、あえて近づかなかった禁断の境地(?)。日本だとこざっぱりしたBL系だが、米国版のペーパーバックの表紙はなんつーか、オスの体臭が匂ってきそうなギラギラしたゲイ物だ。カノ国ではM/Mっていうジャンルに分類されるらしい。ハーレクインのホモセクシャル版かな?
にしてもだ。この作家さん、ミステリ作家としてかなりの手練れだと思う。捜査もの、バディ物としてかなりの出来だ。面白い。ミステリの骨格がしっかりしているし、FBIや市警の面々、主人公をとりまく人々、脇まで登場人物のキャラが立っている。舞台となるワシントン州シアトルとその周辺の描写も良い。それになにより主人公の二人が魅力的だ。先に読んだジェイソン/サムとはまた二人の関係性が違ってるのも飽きが来なくて良い。
やがて、当初はFBIも自殺と見做した失踪事件は連続殺人事件に発展、エリオットが標的にされて。
・・・キャラ立ても舞台もストーリーも十分読み応えがあるが、そこはなにしろM/Mって事で、エリオットのツンデレぶりと、ぶきっちょなタッカーの真っ直ぐな愛情の行き違いが滅法楽しい。 何しろ二人とも生真面目。
この作者の本は、書店のBLコーナー(コミックスの隣だ。)にあるわけだが、ストレートの濡れ濡れ本はちゃんと小説棚にあるのに、差別じゃね?と思ったりもする。うん。この本は、ミステリとしても、ロマン・ポルノとしても、ちゃんと小説棚に並ぶ資格があると思うよ。なにを持って資格というのか私にもわかならいけど。
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