原 題 「Death of Pirate King」2008年
前作、ジェイク・リオーダンと別れてから2年。アドリアンはUCLAの教授ガイ・スノーデンと恋人関係になっている。ガイはアドリアンよりはだいぶ年長で、半分保護者みたいな感じもある。著 者 ジョシュ・ラニヨン
翻 訳 者 冬斗 亜紀
出 版 新書館 (モノクローム・ロマンス文庫) 2015年2月
文 庫 440ページ
初 読 2022年2月20日
ISBN-10 4403560199
ISBN-13 978-4403560194
アドリアンはインフルエンザをこじらして肺炎になり、退院したばかりだが、彼の処女作の映画化権が買い取られ、映画化スタッフとの顔合わせをかねたホームパーティーに出席していた。
ところが、そこで居合わせた男が毒殺され、アドリアンはまたしても殺人容疑者リストに名を連ねることに。おまけに、そこに現れた捜査官はなんと主任警部補に昇進したLA市警のジェイク・リオーダン、しかもパーティーの主催者でアドリアンの小説の映画化権を買った映画俳優ポール・ケインはなんと、ジェイクとは5年越しの恋人だった、とな。
と、いうことは、ジェイクはアドリアンよりもずっと前からポールと恋人関係だったのか? しかもジェイクはケイトと“ノーマルな”結婚をしたあとも、ずっとポールとSMプレイを続けていたのか!?
なんともドロドロで、どこで殺人事件が起こってもおかしくないようなお膳立てだが、そこはアドリアンの、どうあっても冷静であろうとする一歩引いたような冷めた視線と彼流のユーモアで、なんとか(必死さの伴う)軽やかな語り口で話はすすむ。
もう、4巻目ともなると、アドリアンに完全に感情移入しているので、いまだにジェイクを愛しているままのアドリアンの心情が痛々しくて、なんだかこっちのお腹が締め付けられる、、、っていうか。ジェイクよ、おまえ、どこまで身勝手だ? だが、オーラスで全部、ジェイクが持ってくんだよね。おまえ、さあ。どこまで男らしいんだよ!! と毒づきたくもなる。
3巻目の表紙のアドリアンに背を向けるジェイク、4巻目の表紙の再び見つめ合う二人。
表紙のとおり、ラストでついに自分自身と、アドリアンへの想いに真正面から向き合うジェイクと、それを見つめるアドリアンに幸あらんことを。
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